KAZIKI-CGC’s blog

車両について色々と語ります

【WoT】St.Emil運用の手引き

 はいどうもまた書き連ねてみようと思ったのでやります

 今度のテーマは"Sturer Emil"。これまたクセの強い車両だけど優等100%になったので解説してみましょ

 

前解説:SU-122-44運用の手引きhttps://kaziki-cgc.hatenablog.com/entry/2019/12/06/135128

こちらにはすべての駆逐戦車に言える事も一部記述されているため、一度目を通しておくことをお勧めする。

 


1.St.Emilとはどんな車両か?

~分類・細かい特徴について~

 前の記事(SU-122-44の手引き)の最初で書いた駆逐戦車のおおまかな分類に当てはめると、この車両は「紙駆逐戦車」である。
 これまたシステム上の特殊な能力は無いので分類としてはこれだけになる。それじゃ最初に長所と短所を比較してみよう。

 

 長所
・単発火力がとても高い
・俯角がめっちゃ取れる
・通常弾貫通力がめっちゃ高い
・視界が長い

 短所
・仰角・左右射角が狭い
・弾数がめっちゃ少ない
・装甲が紙
・脚がめっちゃ遅い
・隠蔽がかなり悪い

 なんだこれはたまげたなぁ…完全に火力特化じゃないか…
 似たものはまた同時に解説するがそれぞれ一つずつ見ていこう。

 

 

・単発火力がとても高い
 単発火力は同格ではSU-152の15榴に次ぐ490単独二位
 SU-152が精度が非常に悪いのに対してこちらはそれなりに良好な水準を保っており、遠距離からでも割と安定して命中が見込めるのは大きな強み。
 この単発火力と精度の組み合わせは同格では唯一無二なので、これを如何に活かして敵を殴るかがカギとなる。


・俯角がめっちゃ取れる

 その角度なんと15°。同格どころかTier7以上の全車両含めて一番俯角が大きい
 よほどの所でない限り俯角が足りないという場面はまずありえない。高所に陣取って撃ち下ろしたり出来る他、俯角の無い分乗り上げるという事が一切なく、非常に効率的にハルダウンが可能になる。
 弾く要素が皆無なのでヒットアンドアウェイ向きだが、これもかなり生存率に寄与してくる。


・通常弾貫通力がめっちゃ高い
 APは231という高い貫通力を持つ。一位のAMX AC 46の100mm砲との差はたったの1mmで、実質一位タイとみていいだろう。
 口径のデカさやAPという弾種もあり標準化が強いといった特徴があるため、格上相手でも安定した貫通が見込める。
 ただし、課金弾が存在しないのでこれ以上の貫通の底上げはできない。(言うてTier8相手でもこの貫通なら何も出来ない状況はありえない)


・視界が長い

 Tier6に視界の長い駆逐が多いためそこまで突出した性能という訳ではないが、370mは同格一位タイD.Maxとかいう視界おばけと比較してはいけない
 運用と車両特性的に双眼鏡との相性が良いので、前に出て茂みから偵察できれば意外とアシストが伸びる。攻勢の時にも役立つので是非とも活かしていきたい。

 

 …問題は大量の短所である。こちらをどうにかしなければ火力も活きないので注意が必要だ。

 

・仰角・左右射角が狭い
 これに関してはそこまで顕著という訳ではないが、仰角は10°、左右射角は左5°/右7°とかなり小さいので慣れが必要となる。
 仰角はAT7に次ぎワースト二位、左右角は同格単独最下位である。幸い拡散は悪くないのでまだ救いがある。

・弾数がめっちゃ少ない
 その数驚愕の15発榴弾の搭載すら危ぶまれるレベルで、単発火力の割に発射速度が悪くないのもあり中盤以降はかなり気を付ける必要がある。
 これは多くのプレイヤーを悩ませてきたであろう要素であり、詳しくは前準備の項で解説したい。

 

・装甲が紙
・脚がめっちゃ遅い
・隠蔽が悪い
 装甲が紙なのは特性上珍しいものでもないが、問題はそれに機動力と隠蔽の足枷がついていることである。
 まず、最高速25km/hという時点でプレイヤーを絶望の底に叩き込む。同格でこれより遅い駆逐はAT7とAT15Aのみ。
 そのうえ出力重量比がたったの8.49しかない。Tier7全車両含めてもワーストで、それどころかTier7以上でこれより低いのは四式重戦車しかいないというレベルである。
 しかも隠蔽は実質同格最下位である点も追い打ちをかける。重戦車よりは遥かにマシな数字である上、Tier的に視界が短い相手も少なくないが茂みを使わなければかなりバレる。

 

 幸いこの辺に関しては「意外にも旋回性能は良い部類」「後退速度は若干遅い程度で一般的な駆逐戦車に準ずる程度」という救いもあるので一概に最悪とは言えないものの、総じて最底辺の機動性であることには変わりない。

 これらの要素は殆どが比較の対抗馬となる車両が重駆逐であるのに対し、本車は紙駆逐である。その点を踏まえるとより運用に捻りが必要になってくる点にも注意。

 

 これらの長所・短所を踏まえると「火力性能こそ最高級の一品だが、それ以外の各種性能がとにかく足を引っ張りまくる」という車両となる。

 ではこれらを考慮した装備の調整といこう。

 


2.戦闘の前準備

 自分の各種構成はこんな感じ。ボンズ装填棒と大量に余っていた装填棒ディレクティブを乗っけているお陰で装填は10.5秒までになっている。

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~拡張パーツについて~(拡張パーツ2.0以前)

 この車両はオープントップのため、換気扇を搭載できない。
 なので完全火力特化させようとすると一枠余るため、そこに何を入れるかで好みが変わってくると思う。他のいい候補がイマイチ浮かばないので自分は

 装填棒・ガンレイ・双眼鏡

 を推す。

 

 装填棒は必需品だとして、元の絞りが割と早いのもありガンレイはあまり効果はないように見えるかもしれない。しかしそのほかに搭載の余地があるモノが一つもないので一応はこれ乗せれば安定。

 双眼鏡はレンズにしてもいいが、そもそも「近~中距離での撃ち合いではレンズ無しでも不足していない上、目が欲しい場面は静止している時しかない」という事情から双眼鏡のほうが相性がいいのでこちらにした。

 

 ところで、カモネットは積まないの?という意見もあるかもしれない。
 これはとにかく非推奨。それ積むくらいなら火力・視界強化してやったほうが良い。
(てかカモネットの効果は100%受け身の状況しか使いどころがない しかも効果が実感しにくい)
(そもそもの話、隠蔽+20%加算という大きな効果ではあるが、静止後しばらく待たないと発動しない。茂みの中に入った時点でバレなかった場合、そこから隠蔽を上げる必要は一切無いのだ)
(あと、カモネットが活きる近~中距離帯での茂みに潜む分には普通に隠蔽が足りている 戦友+カモ100%+食料+迷彩で25%ちょいと、葉のある茂みを一枚挟めば75%になるので視界445あっても120m前後までなら見つからない。それより敵が近い場合そもそもポジ的に隠蔽を活かすような場所ではない)
(まさか見つかったら終わりな開けた所にある茂みに構えてないでしょうね???????)

 


 (以下2020/08/31追記)

 拡張パーツ2.0により実用範囲の拡張パーツが増えたためここで列挙する。
 換気扇が積めないため今までは完全火力特化が出来なかったが、これにより可能になった&無強化でもある程度視界のアドバンテージを持っている、という理由から搭載パーツを考慮しなおす余地が出てきた。
 勿論、今まで通りの構成でも強さはそのままなので数乗って試すと良い。

 

①改良型旋回機構(旋回性+10%・旋回時拡散-10%)

 元の拡散が駆逐にしてはかなり良いのでガンレイのほうが良さげではあるが(というか自分はそっちのほうが良かったが)、射角が狭く旋回する機会が多い本車両における有効性はかなり高い。
 双眼鏡を捨ててガンレイとコレの相乗効果を狙うと射角関係なくアホほどにも当たるようになる。

 

②改良型照準器(照準サークル-5%)

 既に単発火力と貫通の割に破格の精度を誇っていたが、そこを更に伸ばすことができる。描画範囲ギリだろうがかなり安定して当てられるようになるのは魅力。
 だが一方で、ガンレイと積み替えてみたところ絞り切るまでに時間がかかるようになり、元々置きエイムが難しい本車で活かしきるのは意外と難しいことも発覚した。
 なのでこれを搭載する場合ガンレイとの併用をオススメする。絞り切るまでの時間が少しだけ長くなるため、旋回機構よりもこちらがいい。(勿論、絞り切るまでが遅くなるとは言っても本来の最大精度に到達するまでの時間は変わらないため深刻に考える必要はない)

 

ターボチャージャー(エンジン出力+7.5%・前進速度+4km/h・後退+2km/h)

 29km/hで走れるようになる。(日重もこの速度が出ると思うと中々狂ってる(誉め言葉))
 …まぁ出力重量比が壊滅的なため常にコレが出るかどうかはさておきとして、本車最大の欠点である同格最悪級の機動力がある程度改善される。速度+16%は中々の上昇率。
 自分は25km/hでも乗りこなしているため必要はなかったが、これにより判断速度のシビアさがかなり緩和されるため運用のハードルは大幅に下がる。
 なおも遅いことには変わりないものの、「あと少し判断が早ければ!」という事が頻発する人には大いなる助けになるだろう。視界強化を捨てても搭載する余地がある。

 

 ↑以上追記文

 


 

~弾配分に関して~

 これもかなり選択肢があるが、自分はAP14 : HE1を推す。


 理由としては、ドヤ顔ハルダウン決めている敵や遠距離で完璧に防御体勢を取っている敵に対してのお茶濁しである。

 12.8cm砲のHE火力は630とそれなりに高い。少なくとも122mm砲や10.5cm砲級の榴弾とは比べるまでもなく優秀。
 そのため、嫌がらせとして一発放り投げるだけでも割と馬鹿にならない火力が出る。
 いくらSt.Emilとはいえ、敵は榴弾を連続で投げられる可能性を考えるだろう。するとすごすごと帰っていく事が多い。

 これだけで味方としては負担が減る。そういった「一方的にマウント取られる事を回避するための最終手段」としてHEを1発持っておくと良い。(これとは別にHEで貫通可能な紙装甲に撃ち込めるとなお旨い)

 

 なおこれを2発にすると普通にAPが切れるし、意外とHEの有効な使い道が無いのも事実である。ゆえにHEは1発で十分である。

 

 搭乗員スキルは一般的な紙装甲駆逐としてのもので問題ない。
 カモスキルもしっかり活きる程度には元の隠蔽もあるため、以前・以降まで使うつもりの搭乗員で回せばOK。

 視界が良いので視界系スキルは優先する価値はあるかもしれない。

 

 

 


3.実際の運用について

 ここからは実際の運用のノウハウを解説していく。

 

 基本的に紙駆逐戦車は装甲薄いことから中盤以降まで接近戦はご法度で、遠距離狙撃に徹する事が多い。まぁ当然といえば当然である。偵察できるくらい脚があれば話は別だが、それでも食らいまくって絶殺、という事まではしないのがセオリーになってくる。

 一般的な紙駆逐にとっての適正距離は445m外、もしくは15mルールを使いながら撃つ「超遠距離」である。一般的な紙駆逐は大体こうだ。さらに隠蔽が悪いとこれに拍車をかける。

 ところで、前回122-44の手引きの時に言及した「自分の車両がぶっ刺さる時間とポジ」という言葉を覚えてる人は居るだろうか。紙駆逐は遠距離狙撃でダメージを与えられればそれが「刺さってる状態」になる。
 その後に戦線を上げたりポジを変えたりしてもう数発撃つ、という動きで最終的な稼ぎが決まる。これが紙駆逐の基本となる。
 St,Emilもこの基本は当てはまるため、この車両で稼ぐための流れの一つになる。

 


 ………が、ここでこいつ特有の悩みが浮かび上がってくる。この車両はとにかく融通が利かない

 多少脚が遅い分には問題ないのだが、装甲の薄さと隠蔽の悪さが合わさると話は別になる。しかも遅さはTier7の中でも随一というレベル。
 なので、「遠いところに構えねばならない」「ポジ転換にめっちゃ時間かかる」「隠蔽的に移動のリスクが高い」「装甲が薄い&固定砲なのでド接近戦には限りがある」という大量のセオリーの矛盾を踏まえて刺さる時間・ポジを図る必要があるのだ。

 このせいで一般的な駆逐戦車での「しばし構えてたけど、敵が撃てなさそうだから移動しよう」という受動的な判断だと手遅れになる事がかなり多い。

 ではどう考える必要があるかというと……

 

「受動的に判断するな、能動的に判断しろ」
「撃った直後に今のポジと候補となるポジの旨味を予測しろ」

 

 である。

 既に予測的な判断でポジの移動を考えており、その成功率が高い人ならそこまで苦労することはないだろう。

 これに関してはそのまま文字通りの事なので、意識さえできれば変わるかもしれない。

 

 

 では、具体的にどうすればSt,Emilで稼げるようになるのか。

 どういう考え方をすれば安定して上手くいくのか。

 

 

  ではここで一つ問題を出そうと思う。

 

 MAPはプロホロフカを引いたとしよう。南北は問わない。で、あなたはSt.Emilに限らず、どんなタイプかは問わず駆逐戦車である。

 そして軽戦車は2両、片方が装輪車、自走砲も2枚だと仮定しよう。

 

 

 Q.初動どこいくか?

 

 

 さぁ、駆逐乗りの皆は最初にどこが思い浮かんだだろうか。

 1・2ライン?線路の上?それとも東の島(川の先)?

 

 では個人的な最適解を発表しよう。

 

 

 

 

 

 A. 中 央 一 択

 

 

 

 

 

 

 

 ……うせやろ?って思った人はたぶんアレだ、おそらく中央での立ち回りや有効性について気づいてないか詳しく知らないかだと思う。

 

 「装輪車に見られるだろ」「自走降ってきて死ぬでしょ」

 とかいう意見もあるだろうが、そもそもの話意外にも中央は装輪車が来ようが、深いところに居れば大抵見つからない

 まぁ見つかる時は見つかるが、茂みも多いので「積極的に見て来るしここ隠れよう」という選択肢も取れる。そして開幕から積極的に見て来る装輪車は大抵すぐ死ぬ

 状況次第で厳しくなるパターンもなくはないが、それにしても「まるで稼げないというシチュエーションが殆ど発生しない」「勝ちに関与する狙撃が出来る」のがプロホロ中央の良いところである。

 具体的に何をすればいいかはコレを見ればわかる。

 

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 そう、こういう事をSt.Emilでほぼ全てのMAPでやるのだ。

 

 ついでに言うと 

 

 普通の駆逐戦車っぽく安全かつオーソドックスな位置で稼ごうと思ってるうちは、はっきり言って永遠に扱いこなせる日は来ない

 

 

 

 …こいつに限らず1・2優等まではそういう芋り方でもイケると思うが、3優等はこういう考え方をしないうちはまず安定して取れない。

 このTierの普通の駆逐戦車なら多少後手後手に回っても3優等は取れるが、何よりこいつは先述した通りとにかく融通が利かないため、判断は早くする必要がある。だがそれを機動力が阻む。

 となると解決方法は一つしかない。

 

 どのMAPでも開幕から既に前に出ておき、そこで稼ぐすべを確立、あとは普通の駆逐戦車として動くのだ。

 

 一応、特に稼ぎが伸びやすいMAPを列挙しておこう。

 その中でも開幕、もしくは開幕直後の序盤から中央寄りで稼げるMAPの代表例は以下の通りである。☆マークは滅茶苦茶稼げる。

 

・ウエストフィールド
オーバーロード(例:https://www.nicovideo.jp/watch/sm32941917)
ジークフリートライン(強襲攻撃側)
修道院(中央確保が出来ている場合)
・パリ
ピルゼン(St.Emilでは非推奨)
☆プロホロフカ
・湖の村
ミンスク
・漁師の港(主に南)
・ルインベル
・レッドシャイア

 

 この上記したMAPで「普通使わないけど上手くいったら稼げそうなポジ」を探していくべし。もちろんこいつ特有の強みを考えた上で、というのは言うまでもない。

 試行錯誤を繰り返し安定化させていくと、自ずと運ゲーに頼らずダメージや優等が上がるハズだ。

 

最後にもう一度。

「受動的に判断するな、能動的に判断しろ」
「撃った直後に今のポジと候補となるポジの旨味を予測しろ」

 

これが全てである。St.Emilを使う上で必須なので尊守すべし。

 


 

以上、St.Emil運用の手引きでした。

1月に書き始めて放置してたのを今書き上げた形になりましたが、たいしてメタも変わってないので今でも通用すると思います

 

ではお疲れ様でした