KAZIKI-CGC’s blog

車両について色々と語ります

【WoT】上手い人には低Tierを好く権利は無いのか

 色々考えふけっていて面白かったので書きます

 今回のテーマはずばり

 

 "初心者狩り"(以下"初狩")

 

 

 …なんでまた急にって感じはありますが、先に何を詳しく解説するかの前にいきさつを説明しましょう。

 

 注;ここでは「低Tier」「高Tier」という言葉を非常に多く使いますが、ここではそれぞれ「Tier5以下」「Tier8~10」とします

 


 

 

 発端は先日、小隊を組んでた時の事である。

 各自乗りたい戦車を回していて、小隊員1が最愛のTier5戦車を出したのでそれに追従してTier5を出した。

 自分が出したのは遥か昔から計600戦以上乗ってる愛車だった。小隊員2は3MoEチャレンジ中の戦車を出した。

 

 勿論、出した理由は「愛車だから・優等目指してる戦車だから」だけである。

 

 マッチングしたのはTier5が7枚・Tier4が8枚の戦場。それぞれが己の戦車の能力を発揮し、圧倒的ともいえる勝利を勝ち得た。上位をがっつり取り完全にキャリーした形であり、小隊員全員が殆ど満足できた結果と言えよう。

 戦闘終了後、敵のKe-Hoが有名なコントリビューターの配信者であることに気づく。お?これ敵側どうなってたか見れるのでは?と察し、Twitterを見てみたらやはり配信していたので小隊終了後にアーカイブを覗きに行ってみた。

 

 

 そこで言われてたのが

 

 

 

「仕方ないね、これ完全に初狩だからね」

 

 

 

 !?!????????????????

 待て待て待て待て待て。確かに結果を見ればぐぅの音も出ないほどの初狩りにはなっていたのは間違いない。だが我々にはその気は一切なかった

 ついでにこの方、それなりに上手いプレイヤーなのである。アーカイブ見ても「あぁ丁寧に戦うなー」って感じの立ち回りをしており、同じく初狩りと言われかねない戦果が出ていてもおかしくなかった。てか出かけてた。

 

 

 いや、これは正直どうでもいい

 結果的に互いに初狩り感が出たのは確かだが、自分がそれを意識したのはそういう単語を聞いてからである。それに最終的に出てた戦果のことを話したいんじゃない。配信者を責めたい訳でもない、寧ろ反応としては滅茶苦茶よくあるパターンだと思う。

 てかこの方に限らず、上手い人が低Tier帯に出るだけで初狩りだ初狩りだという人は後を絶たない。

 

 

 問題は低Tier帯に上手い人が居た時、特に負けた時に"初狩"の一言で全てを決めつけるのは違うのではないか

 そもそも初狩りって初心者に対してそんなに莫大な影響を及ぼしているのか

という事である。

 

 

 自分は"初狩り"という単語を悪意のある単語として見ている。

 確かに「勝率稼ぎに低Tier行こうぜ」って画策するプレイヤーは一定数居るだろう。低Tierでパディングすることに喜びを感じるのかもしれないが、一部の人からしてみれば嘲笑の的である。
 自分はそれに良し悪しは無いと思っているが、基本的に良いものとは思われていないのは確かだ。

 

 じゃあその気がなく、低Tierをゲームの一部として楽しみたいプレイヤーは全員そうなのか?

 

 んなわけないだろ

 

 そもそも知っての通り、低Tier帯と高Tier帯との間には明確に車両性能に差がある。装填速度やHPに対する単発火力の幅、砲拡散が特に顕著。

 それに車両性能のデザインも根本的に違う。

 高Tier帯が「全体的に取り回しが良くなり、付加的(+α的)に明確な強みを持つ」傾向があるのに対し、低Tier帯は「明確な強みがあるが、根本的な取り回しに欠点を抱えている」戦車が多い。

 この順序の差は歴然であり、「自身の強みを活かすプレイ」と「欠点を補うプレイ」の比率がTierによって全く変わってくる。Tier10はだいぶ先鋭化するので話は変わるが、Tier8~9は大体前者のみで舞えるのに対してTier5以下は後者を最重要視せねばならない事が多い。

 しかも低Tier帯の欠点は殆どが共通して抱えている普遍的なものである

 

 このような車両特性の差から、そもそも車両を操るうえでの意識がまるで違う。そこを面白いかと思えるかが低Tier・高Tierの好みが分かれる点であると思う。

 

 

 でだ。自分や小隊員1・2のような人たちはこのような低Tier車両に魅入られ、それを愛車として、優等を目指す目標として扱ってきた訳だ。

 

 

 そういうプレイヤーと対峙した時、上手い人全員が初狩りであると決めつけるのはあまりにも傲慢ではなかろうか?


 そういうプレイヤーに負かされた時、初狩という単語を自分の不備や敵のしてきた事を考えないための免罪符として使っているのではなかろうか?

 

 だから低Tier車両を使う事に抑圧的になる人が多いのでは?

 

 

 という考えに至った訳である。

 前置きがクソ長かったが、これを解明するために以下の事を考えた。今回はそれを書き連ねようと思う。

 

 

  • 根本的な"初狩り"についての究明

  • 初心者や下手な人が多い集団に上手い人が入るとどうなるか?

  • 逆に上手い人の多い集団に下手な人が入るとどうなるか?

  • マッチングから一定層を排除することによる利益性、それを訴える正当性について

 

 

…今回も馬鹿長くなることが安易に予想されるがお付き合い願いたい。

 


 

1.根本的な"初狩り行為"についての究明


1-1 . WoTでの初狩りってなに


 まず初狩りとは何かを確認しよう。

 オンラインゲームにおける初狩りとは、PSを積んだ人が初心者の居るレート帯で暴れまくることを指す。

 しかしWoTのランダム戦のマッチングは個人のレートが一切考慮されていないため、どのTierであろうが上手い人・下手な人がそれぞれどちらに配置されるかは文字通り完全にランダムである。
 そのため、WoTでの初狩りは「初心者の多いTier帯で出撃する」ことで行われる。

 

 

 次に、Tierを問わず「50%を超えた分の勝率はどこから来ているか」を確認したい。
 (厳密には引き分けが2%で発生すると仮定した場合、約48%を超えた分、になる)
 (しかし分かりづらくなるため、ここでは平均値が 勝50% : 負50% : 引0% になる世界線とする)

 

 めったに勝敗を操作できない腕の人は、常に敵味方の質・車両の種類などマッチングによって勝率が上下させられる。だが利敵行為(開幕ショボチンや無意味な芋)をせず常に平均程度に稼げている場合、戦闘数をこなすと限りなく勝率50%に近づくハズである。

 それよりも稼げてない場合、自分のせいで敗北を引っ張ってきている可能性が高くなる。例えばこの引き分けの存在しない世界線勝率45%の人の場合、本来勝てたハズの戦闘のうち10%を自分のせいで負けに導いていることになる


 逆に上手い人は自分以下の腕の敵を高確率で負かせられるため、その分敵に負けを押し付け、自分のチームに勝利を引き寄せることが出来る。上記の条件と同じ場合、例えば勝率60%の人は本来負けるハズの戦闘のうち20%を自分の力で勝ちに導いていることになる。

 (なんで勝率40%と60%じゃないの?って思うかもしれないが、40%の人は60%の人よりも圧倒的に少ない印象があるのでこういう表現にしてます)

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WoTにおける勝率の偏差。見づらいけどこういう事である

60%の人は45%の人2人分を殴り勝ってると思っていい

 「運ゲーで勝てる/負ける領域」は平均的に稼げてる場合の勝敗を指す。
 この中に「この分勝ち/負けに導いている」が含まれているが、割合がはっきりしない上わかりにくくなったため、それは50%超過分のみを表示している

 

 

 これらを総合すると、当然と言えば当然だが「上手い人は"自分以下の腕の人"の勝率を吸っている」という構図が完成する。

 

 初狩りしたい人はこの構図を低Tier帯で求めている

 

 高Tier帯では腕の差で勝ち切りにくいため、相対的に差が大きく勝ちやすい低Tier帯で勝率やWN8を稼ぐ。これがWoTで初狩りしたい人が狙っている事であると思う。

 これが自分の想像しうる、初狩りしたい人がどういう考えで低Tier帯に居るかである。

 

 

1-2 . 低Tierも好きな上手い人


 さて、この項では初狩りとか考えておらず、車両が好きで低Tier車両に乗ってる自分のような人間の話になる。

 

 

 上記した図に"どうやっても勝てない領域"というのが三割ほどあるのを見て何となく察せるとは思うが、どんだけ上手い人が低Tier帯に乗っても100%勝てる訳ではない

 15vs15という比較的多人数のチーム戦である都合上、Tier5戦場であろうがユニカムがいれば必ず勝てるという訳ではない。例え1vs5で勝利できたとしても、他が14vs10でボロ負けしたら流石に飲み込まれて敗北を喫することになる。

 滅茶苦茶上手い人3人で初狩りする場合だと100%に近づくハズだが、普通のユニカム一人ではTier4~5で出たとしてもせいぜい60~70%勝つのがやっとである。(Tier3以下は流石に全然乗らないのでわからん、でもこんなもんじゃないかしら)

 

 

 何が言いたいかっていうと、高Tier帯で一定以上の腕があるならあえて初狩りする必要が全くないってことである。
 高Tier帯で勝率65%出ても、低Tier帯で出るのは良くて70%弱なのでここに大した差はないのだ。

 じゃあなんで初狩りしたいでもない上手い人が低Tier帯にいるのか、という疑問への返答は一つのみ。

 

 

 その戦車が好きなんだよ

 

 

 このゲームやってきたら誰にでも愛車はあるだろう?
 その中に低Tierの戦車があったとしても、その人にとっては腕を上げた後もなお乗り続けたいと思えるような奴だったとしたら………誰が否定できようか?

 

 そういう意味で"低Tierに上手い人が居るだけでそいつが初狩りであると決めつけるのはあまりにも傲慢ではなかろうか"と思った次第なのである

 

 

1-3 . ver1.9以降の低Tier帯について


 少し前、Tier6以下の車両の耐久面に大幅な調整が入ったことはまだ記憶に新しい事だと思う。

 ここまで書いたことは今も昔も全く変わっていないが、つい最近この調整が入ったことにより、多くの戦車が一方的に敵を殴り殺す事が難しくなったという話は絶対に外せない。なので今から言及したいと思う。

 

 

 さて。Ver 1.9により増加した耐久の倍率はTierごとに比較的纏まっている。

 Tier4はおよそ1.5~1.6倍、Tier5はおよそ1.3倍、TIer6はおよそ1.12倍に増加した。

 これにより、低Tier帯での戦闘時間/射撃機会が向上し、ゲームパフォーマンスが大きく上昇した。このアップデートは個人的に中々良かったと思う。(弾の増加分だけ調整ガッバガバだったのは許さねぇからな)

 

 だが、これによりダメージを取るうえで優位を取りやすい特性取りにくい特性が新たに自分の中で定義化された。
 この優位を取りにくい特性をもつ戦車が大きく増えたため、そのような車両で初狩りをするのは難度が上がったと言える。

 

 

 

 先に優位を取りやすい特性について言及しよう。こちらでは初狩りの難度は寧ろ下がったともいえる。
 おおまかな特性は以下の通り。なおここでは自走砲に関しては言及しない。

 

 

・高耐久
 一定の倍率で耐久が上がったため、元々耐久の多いHTは更にタフになった

・高単発火力
 ヒット&アウェイで消費できる耐久が上がり、殴り合いで撃てる回数が増え、HP上昇分以上に効率よくダメージを吐けるようになった

・重装甲
 一定よりも貫通が低い敵を蹂躙出来た奴は今もなお装甲が健在なうえ、榴弾を受けられる回数も増えたことにより特定の車両に非常に強くなった

 

 要するに、HTが軒並み微強化されたといって過言ではない。なおTier4HT
 HTにとって"耐久力"という不可逆的なリソースが増えたのは非常に大きな恩恵であり、局地的な殴り合いが更にしやすくなったといえる。

 だが現状溢れんばかりのHTが居る訳ではないし、HTはHT同士で殴り合う事が多いのでこうなると優位は相殺しあうことになる。
 一方、単発や貫通が低い戦車はいざHTを倒そうとなると絶大な不利を強いられる事が多い。そういう意味でHTは優位を取りやすい特性を持ったといえる。

 

 

 

 では一方で優位を取りにくい特性はどういう物があるのか。

 

 

・低単発
 敵を撃破しきるまでにかかる時間が増えたことで露出時間も大きく増え、自身の耐久増加分の割に合わない事が増えた。またヒット&アウェイは一発だけしか入れられないとリスクの割に雀の涙のダメージにしかならない

・低耐久
 一定の倍率で耐久が上がったため、元々少なかった奴の増加量も少ない。これによりTier内での耐久力の格差が大きくなった

・紙装甲(高機動であれば緩和される)
 10榴や12榴のHEやHEATでぶち抜かれるとTier5であっても最悪2発で消し飛ぶ。これ投げられると耐久上がった所で受けられる弾の数は大して変わってねぇ!(絶望)

・低貫通
 R.I.P  Matilda IV (貫通がない場合横取らないと一方的に殴られ放題になるのだが、溶かすのに時間がかかるようになったため早々に殺しきれず対策されるケースが増える)

 


 これらは非常に多くの低TIer戦車に当てはまってしまう。
 これの影響をモロに食らってるのがTIer4の低単発な連中とHTの役割を担うMTたち、それに駆逐戦車全般だ。

 例えば自分の愛車であるT-80は中々しんどい。というのも、自身の耐久が540まで増加したのだが、単発が55しかないこいつだと同格LT・MTを倒すだけでも最低10発必要なのである。
 試オイやChurchill Iを倒すとなると最低17発必要である。しかも貫通は110止まり^q^
 なお、装填棒が詰んだ状態のKe-Ho(単発75)と発射速度はほぼ同一である。あっ……(察し)

 その他だと、ただでさえ弱かったM5 StuartやSentinel、耐久が上がったとはいえB1あたりも滅茶苦茶きついのではなかろうか?

 
 HTの役割を担うMT、Tier5のMatilda兄弟やM4A3E2なども非常に厳しい戦いを強いられる。
 アプデ前までM4A3E2は強い部類だったが、重戦車とのHP格差・単発火力格差が凄まじいことになってしまい、自身の過去最悪の三優等チャレンジを更新するほどの苦行さになってしまった。

 

 駆逐戦車も同様である。「初動は狙撃し、中盤以降で前に出て勝ちに持っていく」のが仕事なのに、中盤以降に前に出て撃ち合おうとすると"敵を溶かせない割にこちらは瞬溶けする"という地獄のような仕様になってしまった。

 

 

 とまぁ1.9到来以来、低Tierの強弱関係がかなりきっぱりした。特に優位を取りにくい特性を持つ戦車が非常に増えたため、HT以外での初狩りの難度が大きく上がったと言える。
 またHTはHTと殴り合うため、本当に初狩りの力を発揮できるのは殴り勝った後となる。そういう都合上、やはり蹂躙できる機会は減った。

 

 そして最も大きいのが敵の耐久の増加である。
 たとえ横に回って撃ちまくったとしても、倒しきるまでに必要な時間が増えたため相手がどんだけ下手でも反撃を食らってしまうケースが非常に増えた

 ノーリスクで敵を取り切るのが非常に難しくなり、自身の上がった分の耐久は以前以上に簡単に減っていくと思っていい。

 

 これらの理由から、初狩初狩りと言ってる間に気が付けばその難易度が大幅に上がっていたという何とも本末転倒な事になっていたのである。

 初狩りを狙って大量に稼ぐにはかなり腕が要求されるようになったため、初狩りだという批判は現状通じにくくなっているという事をいまここで周知しておく。

 

 

 

 ここまでが根本的な"初狩り行為"についての自分なりの究明である。

 

 また、あくまで初狩りが及ぼす影響は少ないとは言っているが、いずれにせよ狙って初狩りすることは褒められるような行為ではない事をここで一応補足しておく。

 

 この時点でとんでもない長さになっているが、次に行くとしよう。(なおまだ半分)

 

 


2. 初心者や下手な人が多い集団に上手い人が入るとどうなるか?

 

 さて、ここからは少しアプローチを変えて、上手い人が初心者の中に紛れるとどういう事が起きるかを考えてみたいと思う。

 初狩りが現れてゲーム荒らしていくと、初心者や下手な人はわけもわからず死んだりして困ってしまう。少なくともその戦闘中はそうなってしまうだろう。バトロワ系ゲームは特にこれが起きやすい?

 

 

 では、WoTにおいても初狩りを働く奴が現れる事により、初心者や下手な人に悪影響をもたらすのだろうか?

 

 

 初狩りの問題視される点として「初心者が一方的に倒されてしまう」という点があげられる。確かにこれはゲームを継続するハードルを高くしかねないため一理ある。

 

 だが、このゲームの特性を考慮すると影響はそこまででもない、と自分は考える

 

 WoTは比較的大人数のPvP、しかも耐久が不可逆的なリソースである。

 リスポーンがないため何も知らず延々と15分間ぶち殺されまくるというシチュエーションはありえない。と、なると

 

 「初狩りにより倒されるのは敵チームの15人であり、初狩りを味方につけた14人はキャリーしてくれる人が居る分寧ろ得なのでは?」

 「上手い稼ぎ方を見せられる分、立ち回りを勉強しようとしてる人へのヒントになる可能性があるのでは?」

 

 まである。我ながら利己的な正当化っぽさがにじみ出ている気がするが、それでもそれなりには的を得ているとは思いたい。

 

 

 理由のほうだが…シミュレーションするとわかりやすいかもしれない。

 

 ここにWN8が500以下の人を29人集め、1人ユニカムを混ぜ、同じメンツ(チーム・MAPはランダム)でランダム戦をさせるとしよう。
 それを100回ほど回す。この時引き分けは発生せず、プレイヤーは成長しないものとする。

 するとどうなるか?

 勿論ユニカムが居るチームのほうが勝率は上がる。先述した話を元としてユニカムがいるチームが丁度70%勝ったと仮定すると、当然紛れ込んだユニカムの勝率は70%になる。

 

 だが引き分け無しのこの条件だと平均勝率は50%になる。では超過した20%はどこから出てきたか?

 

 

 答えは察しの通り、ユニカムはそれ以外の29人から平均的に勝率を計20%分吸い取っているのだ。

 

 聞こえは悪いし周囲に重大な影響を与えているようにも見えるが、意外にも残り29人の勝率はそこまで下がらない。

 この場合、ユニカム以外の29人の勝率は平均およそ49.3%になる。1戦あたり勝率に1%も関与している状況を考えれば、100戦平均で約0,7%吸われる程度なら限りなく誤差に近い

 

 そもそも、勝率70%出る初狩りにこんな毎度のように当たる事は普通のランダム戦ではまずありえないし、滅茶苦茶ランダム戦を回してこの手の初狩りに100回当たったとしても、それでも吸われうる勝率は0.7%なのだ。

 

 それを考慮すると、引き分けで30人全員が負け扱いになるほうが影響としてはデカいといえる。2%の確立で引き分けになるのであれば、どんだけ戦闘こなそうが全体の平均勝率は平均48.0%まで吸われる計算になる。

 それを考慮すると初狩りによるそれ以外のメンツの勝率への影響は限りなく小さいといえる。

 

 よって、初狩りが居たところで初心者や下手な人が被る勝率の減少は引き分けが発生したことによる減少よりも小さいといえる。

 

 初狩りが一人舞い降りた所で、他の29人に出る影響はかなり小さいのだ。

 

 


3.逆に上手い人の集団の中に下手な人が入るとどうなるか?

 

 今度は初狩りとは真逆のシチュエーションについて考えてみる。

 逆説的に「初狩りによる他29人への影響が少ないのであれば、逆に初心者が高Tier帯に出てもたいして影響はないのでは?」と言えるのかどうかという話だ。

 

 だがこれは先ほどの話とは大きく異なる部分がある。

 

 低Tier帯は腕前が初心者寄りに纏まっており、だからこそ初狩りが出て来る。
 それに対し、高Tier帯はちょい下手な人からめっちゃ上手い人まで、非常に幅広い腕前の人が戦場に現れるのである。

 

 XVMの色基準でいくと、低Tier帯は「赤・橙の中に2人くらい黄、たまに緑以上が居る」という纏まり具合なのに対し、高Tier帯は「橙から黄色が半分、緑が半分、青以上が居たりいなかったり」というくらい広い幅の人が平常的に存在している。

 

 その中に一人赤色を投入するとどうなるか、と言うともう御察しの通り。

 赤色は橙・黄色以上に一方的に蹂躙されかねず、実質全ての戦闘において14vs15を味方に強いてしまうのだ。

 

 特にTier10は弱点狙撃や課金弾の多用が必須になっており、それの実行は勿論、対策すらできてないと非常に簡単に0爆しかねないという点が低Tier帯との決定的な差になる。

 

 低・中Tier帯で一人が0爆するくらいでは全体への影響はそこまで大きいものではないだろう。だが、高Tier帯は戦況を見て判断して行動し、早々に敵を溶かすことができるような上手い人がうじゃうじゃ居る。

 そういう上手い人にとって下手な人はただの進撃への楔でしかなく、進行への障害にすらなりえない
 これは、"下手な人に限らず周りとの連携が切れている奴を見つけると早々に刈り取り、黄色だろうが緑色だろうが戦犯級の稼ぎに落とし込める判断が出来る人"の集団だからこそ言えるのである。

 

 

 なので総合勝率45%とかの人は高Tier帯の勝率が40%未満になることも普通にありえる。つまり

 

 高Tier帯は一人のせいで味方を負けに引っ張ってしまう確率が低Tier帯の比ではない

 

 

  これは初心者だろうが中級者だろうが、はたまた上級者でも普通に起こりうる出来事である。自分も「弱戦車にやられてやんのざーこざーこ!」って言えることもあれば「俺チ〇カスに…俺チ〇カスだったわ…」ってなる事もある

 しかし、初心者と下手な人は勝てるシチュエーションが殆ど"絶対勝てる約3割"の戦闘に全てを依存し、残りの七割は自分が負けを引っ張っているという事になりかねない。

 だから初心者が上手い人の集団に紛れ込むのは非常にリスキーであるといえる

 

 

 じゃあなんすか
 俺たち下手糞は高Tier帯いちゃいけないんですか(画像略)

 

 

 って言われたらこう提言させていただく。

 

 ダメとは言わんが痛い目見るのはお前やぞ

 

 


 

 さて、一度ここまで書いてきたことを纏めると

 

・"低Tier帯に上手い人が居る=初狩り"ではない
・ver1.9以降、初狩り自体が一部の戦車を除き難易度が大きく上がった
初狩りが居たところで他の29人への悪影響は少ない
・↑の逆も然りだが初心者側が圧倒的に辛くなる

 といった感じになる。それを踏まえて次の項へ行こう。

 


 

4. マッチングから一定層を排除することによる利益性、それを訴える正当性について

 

 見出しだけだとわかりにくいが、要するに「上手い人は上手い人だけとマッチし、初心者は初心者だけでマッチする」といった事をした場合どのような利益が出て、それにつく正当性はどういうものなのか、という事についてである。

 

 現状こういう事がWoTに導入されているのはランク戦集団戦のみ。集団戦はそもそもランダム戦とは全く形態が違うので除外する。

 

 ここまで文字ばっかというのもアレなので、ここからは皆の記憶の彼方にあるであろう昔流行ったコレを思い浮かべてもらいつつやろうと思う。

 

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「オタクは学校来んなよ」

 

1-1.初心者は上級者帯来んなよ

 

 これはランダム戦に関しては項3で出した結論がほぼ全てである。

 高Tier帯に居る初心者のことを個人的には「敵に来たらボーナスキャラ、味方に居たら利用材料」程度の存在にしか考えてないし、来る確率も五分五分。だから味方に居たせいで負けたとしても同じくらいそれのお陰で勝ってる、と思えば何一つ悪い感情は浮かばない。

 再度言うが、ランダム戦の高Tier帯に初心者が来ることは「ダメとは言わんが痛い目見るのはお前やぞ」というのが持論である。

 

 

 

 その一方でWoTには期間限定ながらランク戦が存在しており、それがレートを考慮したうえで初心者を排除したマッチングとなる。

 そもそもの対象層が上級者用なので、「初心者だけど参加したい!」というのは流石に身の程を知れって感じなのでスジは通らない。

 

 

 ランク戦はTier10のみで行うのだが、格下Tierが存在しなかったり、上手い人が集まって居たりでTier10を持っているくらい遊んでいるプレイヤーでも難易度が高い領域だ。そのうえ似たようなランクの人同士がマッチングするため、ランクが上がるごとに周囲の腕も上がっていく完全な実力社会といえる。(ところで予選システムの存在意義ってよくわからないんすけどアレって何のためにあるんすかね?)

 その結果、上に行くと本当に上手い人が多くを占める戦場で戦うことができるようになった。そのレベルまで到達できている人的にはランダム戦とはまた違った楽しみができたといえよう。その分ギスギスしやすくもなるけど

 

 これによって不利益を被る人は大して居ない。
 居るとしたらTier10を持っておりランク戦には参加できるが、初心者が居ない分相対的なレートが下位になってしまい、結果として食われる役になってしまう中級者であろう。
 それなりに腕があるためこういうマッチングでも稼げると思いがちだが、結局は初心者が居ない分食われる役になりうるため、稼げないケースが増えてストレスもマッハになる。なお自分も前回のランク戦では己の腕足らずのせいでこの食われ役になりまくってハゲた(自戒)

 

 だがこれに関しては正直自分の腕を呪えとしか言えない。

 

 そもそもランク戦は上級者向けのエンドコンテンツの一つ。参加は容易だがゲームモード自体が初心者・中級者を対象としていないともいえるため、中級者が割を食いやすいのも当然と言えば当然であろう。

 

 

 纏めると、現状のランク戦は「参加できる内の一部の層に不利益はあっても、排除された層には理不尽な不利益がない」ゲームモードであるといえる。
 そして、こういうコンテンツにおいて初心者を排除することは悪いことではないともいえる。

 排除される初心者層につく不利益といえば「報酬を取るための権利がない」という程度だが、そもそもボンズなどは中・上級者のみにが手に入れられる特別な要素なので諦めろ感がありますあります 

 

 


 

 

 話題が初狩りから思いっきり逸れまくったので話を戻していこう。

 

 こういうランク戦はよくあるPvPゲームだと通常のマッチングシステムの中に組み込まれている場合があり、この場合初心者は低ランク、上級者は高ランク自動で振り分けられる

 その点、WoTは上級者向けともいえるランク戦しか存在しない。ランダム戦のマッチングに腕前が考慮されていない点を考えると、初心者のみで構成される特別戦があってもおかしくないハズである。

 

 だがそれが無いのは何故か?特に皆が上手い人が低Tierに来ることを初狩りと言うのに、なぜそれから初心者を守るシステムがないのか?

 

 

 という点も不思議なところだ。そういう事について、そしてそれを提言する正当性についてここから書き連ねていこうと思う。

 

1-2. 「上級者は初心者帯来んなよ」

 

 基本的にゲームは初心者にはそれなりに易しくなくてはいけない。
 そういう意味で言うと、初心者のみの特別戦は理にかなったものだと自分は思う。

 プレイヤー人数的に厳しいのでなければ、これを作ることは可能であろう。
 そしてこういうモノの存在について流石に100%反対の人は殆どいないだろう。

 

 この初心者のみの特別戦を作る事に関しては初心者が提言しようが上級者が提言しようがどのプレイヤーから見ても正当性があるハズだ。

 

 

 これを作るメリットは「既存アカウントの初狩りや上級者が消える」「一人に稼ぎが集中しづらくなり、等しく戦果が分配されうる」「中・高Tier帯に行く前にある程度の下積みが可能」といったところだろうか。

 

 一つずつ見ていくと、「既存アカウントの初狩りや上級者が消える」は当然である。

 先述したとおり初狩りが混じったところで初心者に与える損害は大したことないためその点のメリットとしては薄めだが、「訳もわからず一方的に蹂躙される」というケースが発生することは大きく減る。
 これは初心者的にはゲームパフォーマンスが向上することに繋がるため、己のわかる範疇で戦えるという点はとても大きい。

 

 これにより「一人に稼ぎが集中しづらくなり、等しく戦果が分配されうる」ということも言える。

 自分が稼げているかどうか、という目安に「効力射が取れているか」を掲げている人は多いと思う。
 自分の耐久より多くダメージを取った、というのは初心者としても一つ自信になるだろう。ランダム戦と比べてその回数を全体的に底上げできるため、これも初心者なゲームパフォーマンスの向上にもつながってくるハズだ。

 

 最後の「中・高Tier帯に行く前にある程度の下積みが可能」は言わずもがな。

 

 

 

 これを作るデメリットとして、「ランダム戦の低Tier帯が過疎る」「リロール初狩りが多く発生しかねない」という点がある。

 

 やはり人は高Tier帯を目指したくなるもの。低Tier帯は開発に必要な経験値が高Tier帯の比ではないため、戦闘数はそちらに集中しがちになっていく。

 そのため、このような初心者帯システムを作るとランダム戦の低Tier帯が過疎るという問題が発生する。

 しかもマッチング時間が伸びて更に人が集まらなくなるという悪循環になることが容易に想像できる。少なくともASIA鯖は既に低Tier帯のマッチング時間が長いので、他鯖もそうであるならこの理由で導入できないのは普通にありえそうな話である。

 

 

 一方、リロール初狩りが多く発生しかねない点も見逃せない。まぁ1の項で描いた通りの考えで湧いて来る人が居るのは仕方ないと思うが。

 ただ、これはランダム戦の戦績が最重要視されている現状、ランク戦と同じように戦績そのものを分けてしまうことで解消できるハズだ。これにより少なくとも勝率・レートのパディングは出来なくなる。

 そのほか報酬自体を「初心者的には旨いがヘビーユーザー的にはさほど美味しくないレベル」まで落としてしまうことで中・上級者的な魅力を減らすなども可能であろう。

 この問題はこういった対策を施せば十分回避できると思われる。純粋に初心者殺すのタノシーって人は弾けないけど…

 

 

 さて、ここまでは初心者のみの特別戦の話であった。ではランダム戦はどうなのか。

 

 これも既に答えが出ており、先ほど言及したように「初狩りは全体として見ると大きな悪影響を与えない」「しかも低Tier帯で勝率を稼ぐのが今までより難しくなった」という点から、そもそも初狩りだと言って上級者を低Tier帯から糾弾することはスジが通りにくい

 初心者のみの集団戦から上級者は排除されるべき、という意見は欠点こそあれほぼ100%正当。
 しかし、ランダム戦で上級者を低Tier帯から排除すべき、という意見は全体を見るとそこまで説得力が無いため正当性は低いと自分は主張したい。

 

 


 

 ここからが一番大事なことである。

 一番最初の前置きにあった通り、基本的に人が初狩りを糾弾しようとするのは「低Tier帯で出て、上手い人によって負かされた時」や「上手い人による低Tier帯の動画を見た時」だと思う。

 そりゃそーだ、低Tier帯に上級者がいるせいで負けた、上級者が初心者を負かしているプレイを見た、って時以外は批判する側にとって初狩りは実害になりえないからだ。

 

 では、

 低Tier帯だからって上級者や初狩りに勝たせてもらった時にそいつを批判する気になるか?

 

 

 もし初心者のことを思って勝敗問わずこの批判を常に主張しているなら、自分が2の項で上げた持論についての意見が聞きたい。
 一回だけ敵に上級者がついてそれにキャリーされて負けたとしても、それが味方についてキャリーしてもらえる可能性がほぼ等しく存在している事を考えれば、Tierを問わず上級者が居ることによる利益:不利益の差は非常に少ない。これを考慮したうえの主張なのか?と。

 

 それに、中・高Tier帯でも強い人が試合をキャリーして、自分が大したことしてないのに勝つ/負けることは誰でもあるだろう。

 結局上手い人はTier帯がどこであろうがキャリーする力がある。自分以下の人を食うという点では初狩りも上手い人も全く同じ。

 

 

 じゃあ、高Tier帯で上手い人に負かされた時にそいつを批判する気になるか???

 普通なる訳ねぇだろ?????

 

 

 いいか、上手い人が低Tier帯に来ることを初狩りだと批判する奴らよく聞け 

 

 

 お前ら上手い人がいろんな車両で楽しもうとしてるのを初心者を盾に批判してんだよ
 自分が稼げなくなるからってそういう主張はおかしくないか?????

 

 

 あと同じく低Tier帯にいる中級者で上手い人を初狩りだと批判する奴

 

 

 自分も初狩りできるポテンシャルがあるのにそれを棚に上げて何言ってんだ?????

 

 


 

 …という訳で初狩りについての話はこれにて終わりにする。

 とにかく、上手い人全員が初狩りしたいために低Tier帯に居る訳じゃあない。それを勝手に初狩りだと騒いで自分の失敗や敗因を棚に上げたりするのはやめろという話でした。

 

 反論・感想あればご自由に。

 

【WoT】St.Emil運用の手引き

 はいどうもまた書き連ねてみようと思ったのでやります

 今度のテーマは"Sturer Emil"。これまたクセの強い車両だけど優等100%になったので解説してみましょ

 

前解説:SU-122-44運用の手引きhttps://kaziki-cgc.hatenablog.com/entry/2019/12/06/135128

こちらにはすべての駆逐戦車に言える事も一部記述されているため、一度目を通しておくことをお勧めする。

 


1.St.Emilとはどんな車両か?

~分類・細かい特徴について~

 前の記事(SU-122-44の手引き)の最初で書いた駆逐戦車のおおまかな分類に当てはめると、この車両は「紙駆逐戦車」である。
 これまたシステム上の特殊な能力は無いので分類としてはこれだけになる。それじゃ最初に長所と短所を比較してみよう。

 

 長所
・単発火力がとても高い
・俯角がめっちゃ取れる
・通常弾貫通力がめっちゃ高い
・視界が長い

 短所
・仰角・左右射角が狭い
・弾数がめっちゃ少ない
・装甲が紙
・脚がめっちゃ遅い
・隠蔽がかなり悪い

 なんだこれはたまげたなぁ…完全に火力特化じゃないか…
 似たものはまた同時に解説するがそれぞれ一つずつ見ていこう。

 

 

・単発火力がとても高い
 単発火力は同格ではSU-152の15榴に次ぐ490単独二位
 SU-152が精度が非常に悪いのに対してこちらはそれなりに良好な水準を保っており、遠距離からでも割と安定して命中が見込めるのは大きな強み。
 この単発火力と精度の組み合わせは同格では唯一無二なので、これを如何に活かして敵を殴るかがカギとなる。


・俯角がめっちゃ取れる

 その角度なんと15°。同格どころかTier7以上の全車両含めて一番俯角が大きい
 よほどの所でない限り俯角が足りないという場面はまずありえない。高所に陣取って撃ち下ろしたり出来る他、俯角の無い分乗り上げるという事が一切なく、非常に効率的にハルダウンが可能になる。
 弾く要素が皆無なのでヒットアンドアウェイ向きだが、これもかなり生存率に寄与してくる。


・通常弾貫通力がめっちゃ高い
 APは231という高い貫通力を持つ。一位のAMX AC 46の100mm砲との差はたったの1mmで、実質一位タイとみていいだろう。
 口径のデカさやAPという弾種もあり標準化が強いといった特徴があるため、格上相手でも安定した貫通が見込める。
 ただし、課金弾が存在しないのでこれ以上の貫通の底上げはできない。(言うてTier8相手でもこの貫通なら何も出来ない状況はありえない)


・視界が長い

 Tier6に視界の長い駆逐が多いためそこまで突出した性能という訳ではないが、370mは同格一位タイD.Maxとかいう視界おばけと比較してはいけない
 運用と車両特性的に双眼鏡との相性が良いので、前に出て茂みから偵察できれば意外とアシストが伸びる。攻勢の時にも役立つので是非とも活かしていきたい。

 

 …問題は大量の短所である。こちらをどうにかしなければ火力も活きないので注意が必要だ。

 

・仰角・左右射角が狭い
 これに関してはそこまで顕著という訳ではないが、仰角は10°、左右射角は左5°/右7°とかなり小さいので慣れが必要となる。
 仰角はAT7に次ぎワースト二位、左右角は同格単独最下位である。幸い拡散は悪くないのでまだ救いがある。

・弾数がめっちゃ少ない
 その数驚愕の15発榴弾の搭載すら危ぶまれるレベルで、単発火力の割に発射速度が悪くないのもあり中盤以降はかなり気を付ける必要がある。
 これは多くのプレイヤーを悩ませてきたであろう要素であり、詳しくは前準備の項で解説したい。

 

・装甲が紙
・脚がめっちゃ遅い
・隠蔽が悪い
 装甲が紙なのは特性上珍しいものでもないが、問題はそれに機動力と隠蔽の足枷がついていることである。
 まず、最高速25km/hという時点でプレイヤーを絶望の底に叩き込む。同格でこれより遅い駆逐はAT7とAT15Aのみ。
 そのうえ出力重量比がたったの8.49しかない。Tier7全車両含めてもワーストで、それどころかTier7以上でこれより低いのは四式重戦車しかいないというレベルである。
 しかも隠蔽は実質同格最下位である点も追い打ちをかける。重戦車よりは遥かにマシな数字である上、Tier的に視界が短い相手も少なくないが茂みを使わなければかなりバレる。

 

 幸いこの辺に関しては「意外にも旋回性能は良い部類」「後退速度は若干遅い程度で一般的な駆逐戦車に準ずる程度」という救いもあるので一概に最悪とは言えないものの、総じて最底辺の機動性であることには変わりない。

 これらの要素は殆どが比較の対抗馬となる車両が重駆逐であるのに対し、本車は紙駆逐である。その点を踏まえるとより運用に捻りが必要になってくる点にも注意。

 

 これらの長所・短所を踏まえると「火力性能こそ最高級の一品だが、それ以外の各種性能がとにかく足を引っ張りまくる」という車両となる。

 ではこれらを考慮した装備の調整といこう。

 


2.戦闘の前準備

 自分の各種構成はこんな感じ。ボンズ装填棒と大量に余っていた装填棒ディレクティブを乗っけているお陰で装填は10.5秒までになっている。

f:id:KAZIKI-CGC:20191219102555j:plain

~拡張パーツについて~(拡張パーツ2.0以前)

 この車両はオープントップのため、換気扇を搭載できない。
 なので完全火力特化させようとすると一枠余るため、そこに何を入れるかで好みが変わってくると思う。他のいい候補がイマイチ浮かばないので自分は

 装填棒・ガンレイ・双眼鏡

 を推す。

 

 装填棒は必需品だとして、元の絞りが割と早いのもありガンレイはあまり効果はないように見えるかもしれない。しかしそのほかに搭載の余地があるモノが一つもないので一応はこれ乗せれば安定。

 双眼鏡はレンズにしてもいいが、そもそも「近~中距離での撃ち合いではレンズ無しでも不足していない上、目が欲しい場面は静止している時しかない」という事情から双眼鏡のほうが相性がいいのでこちらにした。

 

 ところで、カモネットは積まないの?という意見もあるかもしれない。
 これはとにかく非推奨。それ積むくらいなら火力・視界強化してやったほうが良い。
(てかカモネットの効果は100%受け身の状況しか使いどころがない しかも効果が実感しにくい)
(そもそもの話、隠蔽+20%加算という大きな効果ではあるが、静止後しばらく待たないと発動しない。茂みの中に入った時点でバレなかった場合、そこから隠蔽を上げる必要は一切無いのだ)
(あと、カモネットが活きる近~中距離帯での茂みに潜む分には普通に隠蔽が足りている 戦友+カモ100%+食料+迷彩で25%ちょいと、葉のある茂みを一枚挟めば75%になるので視界445あっても120m前後までなら見つからない。それより敵が近い場合そもそもポジ的に隠蔽を活かすような場所ではない)
(まさか見つかったら終わりな開けた所にある茂みに構えてないでしょうね???????)

 


 (以下2020/08/31追記)

 拡張パーツ2.0により実用範囲の拡張パーツが増えたためここで列挙する。
 換気扇が積めないため今までは完全火力特化が出来なかったが、これにより可能になった&無強化でもある程度視界のアドバンテージを持っている、という理由から搭載パーツを考慮しなおす余地が出てきた。
 勿論、今まで通りの構成でも強さはそのままなので数乗って試すと良い。

 

①改良型旋回機構(旋回性+10%・旋回時拡散-10%)

 元の拡散が駆逐にしてはかなり良いのでガンレイのほうが良さげではあるが(というか自分はそっちのほうが良かったが)、射角が狭く旋回する機会が多い本車両における有効性はかなり高い。
 双眼鏡を捨ててガンレイとコレの相乗効果を狙うと射角関係なくアホほどにも当たるようになる。

 

②改良型照準器(照準サークル-5%)

 既に単発火力と貫通の割に破格の精度を誇っていたが、そこを更に伸ばすことができる。描画範囲ギリだろうがかなり安定して当てられるようになるのは魅力。
 だが一方で、ガンレイと積み替えてみたところ絞り切るまでに時間がかかるようになり、元々置きエイムが難しい本車で活かしきるのは意外と難しいことも発覚した。
 なのでこれを搭載する場合ガンレイとの併用をオススメする。絞り切るまでの時間が少しだけ長くなるため、旋回機構よりもこちらがいい。(勿論、絞り切るまでが遅くなるとは言っても本来の最大精度に到達するまでの時間は変わらないため深刻に考える必要はない)

 

ターボチャージャー(エンジン出力+7.5%・前進速度+4km/h・後退+2km/h)

 29km/hで走れるようになる。(日重もこの速度が出ると思うと中々狂ってる(誉め言葉))
 …まぁ出力重量比が壊滅的なため常にコレが出るかどうかはさておきとして、本車最大の欠点である同格最悪級の機動力がある程度改善される。速度+16%は中々の上昇率。
 自分は25km/hでも乗りこなしているため必要はなかったが、これにより判断速度のシビアさがかなり緩和されるため運用のハードルは大幅に下がる。
 なおも遅いことには変わりないものの、「あと少し判断が早ければ!」という事が頻発する人には大いなる助けになるだろう。視界強化を捨てても搭載する余地がある。

 

 ↑以上追記文

 


 

~弾配分に関して~

 これもかなり選択肢があるが、自分はAP14 : HE1を推す。


 理由としては、ドヤ顔ハルダウン決めている敵や遠距離で完璧に防御体勢を取っている敵に対してのお茶濁しである。

 12.8cm砲のHE火力は630とそれなりに高い。少なくとも122mm砲や10.5cm砲級の榴弾とは比べるまでもなく優秀。
 そのため、嫌がらせとして一発放り投げるだけでも割と馬鹿にならない火力が出る。
 いくらSt.Emilとはいえ、敵は榴弾を連続で投げられる可能性を考えるだろう。するとすごすごと帰っていく事が多い。

 これだけで味方としては負担が減る。そういった「一方的にマウント取られる事を回避するための最終手段」としてHEを1発持っておくと良い。(これとは別にHEで貫通可能な紙装甲に撃ち込めるとなお旨い)

 

 なおこれを2発にすると普通にAPが切れるし、意外とHEの有効な使い道が無いのも事実である。ゆえにHEは1発で十分である。

 

 搭乗員スキルは一般的な紙装甲駆逐としてのもので問題ない。
 カモスキルもしっかり活きる程度には元の隠蔽もあるため、以前・以降まで使うつもりの搭乗員で回せばOK。

 視界が良いので視界系スキルは優先する価値はあるかもしれない。

 

 

 


3.実際の運用について

 ここからは実際の運用のノウハウを解説していく。

 

 基本的に紙駆逐戦車は装甲薄いことから中盤以降まで接近戦はご法度で、遠距離狙撃に徹する事が多い。まぁ当然といえば当然である。偵察できるくらい脚があれば話は別だが、それでも食らいまくって絶殺、という事まではしないのがセオリーになってくる。

 一般的な紙駆逐にとっての適正距離は445m外、もしくは15mルールを使いながら撃つ「超遠距離」である。一般的な紙駆逐は大体こうだ。さらに隠蔽が悪いとこれに拍車をかける。

 ところで、前回122-44の手引きの時に言及した「自分の車両がぶっ刺さる時間とポジ」という言葉を覚えてる人は居るだろうか。紙駆逐は遠距離狙撃でダメージを与えられればそれが「刺さってる状態」になる。
 その後に戦線を上げたりポジを変えたりしてもう数発撃つ、という動きで最終的な稼ぎが決まる。これが紙駆逐の基本となる。
 St,Emilもこの基本は当てはまるため、この車両で稼ぐための流れの一つになる。

 


 ………が、ここでこいつ特有の悩みが浮かび上がってくる。この車両はとにかく融通が利かない

 多少脚が遅い分には問題ないのだが、装甲の薄さと隠蔽の悪さが合わさると話は別になる。しかも遅さはTier7の中でも随一というレベル。
 なので、「遠いところに構えねばならない」「ポジ転換にめっちゃ時間かかる」「隠蔽的に移動のリスクが高い」「装甲が薄い&固定砲なのでド接近戦には限りがある」という大量のセオリーの矛盾を踏まえて刺さる時間・ポジを図る必要があるのだ。

 このせいで一般的な駆逐戦車での「しばし構えてたけど、敵が撃てなさそうだから移動しよう」という受動的な判断だと手遅れになる事がかなり多い。

 ではどう考える必要があるかというと……

 

「受動的に判断するな、能動的に判断しろ」
「撃った直後に今のポジと候補となるポジの旨味を予測しろ」

 

 である。

 既に予測的な判断でポジの移動を考えており、その成功率が高い人ならそこまで苦労することはないだろう。

 これに関してはそのまま文字通りの事なので、意識さえできれば変わるかもしれない。

 

 

 では、具体的にどうすればSt,Emilで稼げるようになるのか。

 どういう考え方をすれば安定して上手くいくのか。

 

 

  ではここで一つ問題を出そうと思う。

 

 MAPはプロホロフカを引いたとしよう。南北は問わない。で、あなたはSt.Emilに限らず、どんなタイプかは問わず駆逐戦車である。

 そして軽戦車は2両、片方が装輪車、自走砲も2枚だと仮定しよう。

 

 

 Q.初動どこいくか?

 

 

 さぁ、駆逐乗りの皆は最初にどこが思い浮かんだだろうか。

 1・2ライン?線路の上?それとも東の島(川の先)?

 

 では個人的な最適解を発表しよう。

 

 

 

 

 

 A. 中 央 一 択

 

 

 

 

 

 

 

 ……うせやろ?って思った人はたぶんアレだ、おそらく中央での立ち回りや有効性について気づいてないか詳しく知らないかだと思う。

 

 「装輪車に見られるだろ」「自走降ってきて死ぬでしょ」

 とかいう意見もあるだろうが、そもそもの話意外にも中央は装輪車が来ようが、深いところに居れば大抵見つからない

 まぁ見つかる時は見つかるが、茂みも多いので「積極的に見て来るしここ隠れよう」という選択肢も取れる。そして開幕から積極的に見て来る装輪車は大抵すぐ死ぬ

 状況次第で厳しくなるパターンもなくはないが、それにしても「まるで稼げないというシチュエーションが殆ど発生しない」「勝ちに関与する狙撃が出来る」のがプロホロ中央の良いところである。

 具体的に何をすればいいかはコレを見ればわかる。

 

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 そう、こういう事をSt.Emilでほぼ全てのMAPでやるのだ。

 

 ついでに言うと 

 

 普通の駆逐戦車っぽく安全かつオーソドックスな位置で稼ごうと思ってるうちは、はっきり言って永遠に扱いこなせる日は来ない

 

 

 

 …こいつに限らず1・2優等まではそういう芋り方でもイケると思うが、3優等はこういう考え方をしないうちはまず安定して取れない。

 このTierの普通の駆逐戦車なら多少後手後手に回っても3優等は取れるが、何よりこいつは先述した通りとにかく融通が利かないため、判断は早くする必要がある。だがそれを機動力が阻む。

 となると解決方法は一つしかない。

 

 どのMAPでも開幕から既に前に出ておき、そこで稼ぐすべを確立、あとは普通の駆逐戦車として動くのだ。

 

 一応、特に稼ぎが伸びやすいMAPを列挙しておこう。

 その中でも開幕、もしくは開幕直後の序盤から中央寄りで稼げるMAPの代表例は以下の通りである。☆マークは滅茶苦茶稼げる。

 

・ウエストフィールド
オーバーロード(例:https://www.nicovideo.jp/watch/sm32941917)
ジークフリートライン(強襲攻撃側)
修道院(中央確保が出来ている場合)
・パリ
ピルゼン(St.Emilでは非推奨)
☆プロホロフカ
・湖の村
ミンスク
・漁師の港(主に南)
・ルインベル
・レッドシャイア

 

 この上記したMAPで「普通使わないけど上手くいったら稼げそうなポジ」を探していくべし。もちろんこいつ特有の強みを考えた上で、というのは言うまでもない。

 試行錯誤を繰り返し安定化させていくと、自ずと運ゲーに頼らずダメージや優等が上がるハズだ。

 

最後にもう一度。

「受動的に判断するな、能動的に判断しろ」
「撃った直後に今のポジと候補となるポジの旨味を予測しろ」

 

これが全てである。St.Emilを使う上で必須なので尊守すべし。

 


 

以上、St.Emil運用の手引きでした。

1月に書き始めて放置してたのを今書き上げた形になりましたが、たいしてメタも変わってないので今でも通用すると思います

 

ではお疲れ様でした

ユニカムになってわかったこと

なんか最近色々と思った所があったので書きます

 

自分は今年の三月にWN8でWoT Labs基準のユニカムになりました

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(2019/03/16時点のスクショ)

それから二カ月ほどプレイし続け、今はとりあえず直近WN8は3400~3650、直近勝率は63%くらいあります

 

しょっぱなぶっちゃけます

これ言うと炎上しそうですが、このユニカム基準を目指したくて約20k戦の間、勝率を一切気にせずWN8(ダメージ+キル)だけを意識して遊び続けていました(優等も気にしてた)

 

…マジで怒られるよねこれって思ってるけど本当に勝率はどうでもよくて、とにかく自分がダメージ出すことだけを考えてきた訳ですね(でもあえて負けようとは一切思ってませんよ?てか思うわけないだろJK)

最近、色々な記事やツイートを見たことをきっかけにその間のことを考え直して、気づいたことがいくつかありました ので記事にしようと思ったわけです

 

気づいた事は以下の通り

 

①「勝利を捨ててWN8・優等を稼ぐ」ということはできるのか?
②ユニカムになるとどれくらい自走に粘着されやすくなるか?
③XVMの有効活用法
④勝率を上げるにはどうすれば良いか?何を練習すれば良いか?

 

一応ですが、自分がこのゲームが上手いのは間違いないけど言ってる事が100%正解である確証はありません。一つの経験からくる情報だと思ってくださいまし

 

注:ここでの直近WN8は「直近1000戦の平均WN8」を指します
  稀に「直近60日のWN8」で見る場合もあるので一応

 

 


1 . 「勝利を捨ててWN8・優等を稼ぐ」というのはできるのか?

 

 これを考えることになったきっかけは、「反XVM・WN8」と言ってた知り合いがどういう理由でそう思っているのかを聞いてみた事だ。
 曰く、「WN8のために勝利を捨てていく奴らが嫌い」という事らしいが、WN8のために勝率を一切無視してきた自分にはこれは不可解だったのだ。

 不可解に思った理由としては、直近WN8が2800を超えたあたりから勝率がだいたい60%で安定したからである。この傾向は今でも続いている。


 勝利を諦めて稼ぎに入る、いわゆる負け確状態の時にできる限りダメージを稼ぐケースのことを言っていないのであれば、ここでの「WN8のために勝利を捨てていく奴ら」はおそらく開幕から勝利に貢献せず、最後でがっつり稼ごうとしている人のことを指している。

 そして、本当にそういう人は居るのか。そういう事をして稼げるのか。

 

 

 答えは「どちらも100%ありえない」である

 

 

 先に詳しい自分のケースを上げていく。
 日によってWN8・勝率のブレはあったが、直近WN8が2800~3100であった間の勝率は60%に±1%くらいで殆ど安定していた。3300を超え始めたあたりからはもう少し上がるようになったが、目安としてはこんなものだと思う。

 とりあえずダメージを、とにかくダメージを…と考えてプレイしていった20k戦の間、この2800~3100という期間は非常に長かった。長い間WoTLabsとにらめっこを続けていたのでこの勝率の情報は間違いない。

 少なくとも、"自分のダメージの伸ばし方"ではこれだけ出せば自然と勝率も伸びることがわかる。

 (色が濃い紫になるのはWN8が2900~なのに対し、勝率は65%~であることを考えると自分の勝率は低いような気はするが、それでも15対15のゲームにおいて約1/5の戦闘は自分ひとりの力でキャリーしていると思えば悪い数字ではないと思う)

 

 

 では、今度は勝った時と負けた時のWN8について調べてみよう。

 「キャリーしたのに負けた」「なんもしてないのに勝った」というのは15vs15というマッチングの都合上よくある事である。ではそれも含め、自分の直近1000戦のうち、「勝ち100%の車両の平均WN8」と「負け100%の車両の平均WN8」を比較してみる。

 結果は以下の通りになった。

 

直近1000戦 :  平均WN8 : 3463 勝率63.56% 

勝ち100% : 37戦 平均WN8 : 3216

  WN8内訳 5000↑    3回
       4000~4999 7回
       3000~3999 9回
       2000~2999 8回
       1000~1999 9回
       999↓      1回

負け100% : 26戦 平均WN8 : 1804

  WN8内訳 5000↑    0回
       4000~4999 1回
       3000~3999 2回
       2000~2999 10回
       1000~1999 3回
       999↓      10回

 

(複数回勝利/敗北しかしてない車両は、その車両の平均のレートを複数回分カウント)(1000戦で数回しか乗らないような連中だから平均WN8が低くなるのはしょうがないね)

 

 少ないデータという事を加味しても、明らかに勝てる戦闘のほうがWN8が稼げていることがわかるだろうか。
 

 

 あと、体感ではあるがXVMで全体のレート眺めていると「WN8の色に対して勝率が高い人」はいても「総合WN8がユニカムなのに勝率が妙に低い人」は見たことが無い。これがすべてを物語っていると思う。

 

 

 結論として、「WN8を意識して、それを稼いでいれば必然的に勝率も上がる」ということから、逆に「しっかりダメージが取れれば意識せずとも勝ててしまうので、"WN8のために勝利を捨てている奴"というのは構図上まずありえない」ということが言える。

 

 もしレートのために勝利を捨てている人がここに居るのなら、それは超非効率だし最早トロールである。今すぐにでもやめなさい。

 そして「WN8のために勝利を捨てる奴」というのはあなたの空想上のモノで、そう思えるような動きをしてる奴はただの下手糞か初心者である。

 

 以上が一つの俗説に対する自分の意見である。
 これは「WN8」という単語を「優等」に置き換えても言える。一番最後にも言及するが、勝ちたければダメージを稼ぐ腕を上げるのを勧めるぞ!

 

 


2 . ユニカムになるとどれくらい自走に粘着されやすくなるか?

 

 これ割と面白いんじゃないかな

 いわゆるレートを見て粘着してくる自走がどれだけ居るのかって話で、だいたいXVM基準の青~紫の人によく発生するって言われてるアレ。
 腕関係なしに狙われやすい車両(S.Conqなどの自走で焼くのが有効な車両やCW報酬車両、OP車両、日重など)は多少はそういうモノだとして、「明らかに当てやすい対象・狙うべき対象・複数枚スタンが期待できる対象よりも何故か優先される」「バレる度に狙われる」というのはよく聞く話である。

 

注:この項と次の項の色表示はXVM基準(2020/05/25時点、2418~3272が青3273以上が紫)の話です。

 青はユニカム紫はスパユニ」という解釈でいいと思います
  また、XVM無しの自走による粘着はここでは考慮しません

 


 自分の経験だと、Tier6前後で自分だけが緑とかの状況で粘着されることはよくあった。
 明らかに狙われすぎで、敵自走にXVMがついていた場合は色による粘着自走という事でほぼ確定と見てよかった。

 では、青色以上に色が変わったタイミング(自分の時は2380くらいだったかな?)から粘着される機会は明確に増えたのか。

 

 意外!何故か粘着される機会は減ったのだ!

 

 

 …ほんとよ?

 青色になってから半年弱、戦闘数にして3000戦以上してきたのだが、明確にXVM粘着されたと認識した回数はたったの1回だったのだ。イキりバッジもつけているにもかかわらずである。

  それまで明確に回数を数えていた訳ではなかったのでどれだけ減ったという明確なデータは出せないが、間違いなく緑の時よりも減っていた。お陰でめっちゃ快適に遊べている

 また、最近アノニマイザーが実装されてそれも少し使ってみたが、自走に狙われる回数そのものは大して変わっていないようにも感じた。
 次の項で言及するXVMを入れる利点とハカリにかけ、そっちのほうが有益と判断したのでそれ以降アノニマイザーは使っていない。

 

 自分が変わった可能性として、「乗る車両の傾向が変わった」「自走に狙われ始めてからの動きが変わり、ヘイトを分散できるようになっていた」というものがあるが、前者は寧ろ殴り合う戦車に乗ることが増えていたし、後者はあるかもしれないがそれにしても効果が歴然すぎる。てか明確にどうしていたとか経験から説明がつかないのでヘイト分散できてても無意識にやってる

 

 これらのことから、「最近は色見て永遠に粘着してくる奴って減ってるのでは?」という結論に至った。

 なので粘着されているとしたら腕を警戒されている訳ではなく「狙いやすいから」「強車両だから」「何も考えてない」という理由になる。

 これに関しては賛否両論滅茶苦茶あると思うのでどう思うかは各々にお任せしやす

 


3 . XVMの有効活用法

 ご存じの通り、XVMはプレイヤーの腕前の表示・UIの改良などが出来るmodである。おそらく最も多くのプレイヤーが使用しているmodの一つではなかろうか。

 入れる/入れないにしても理由は色々と見受けられる。その中での自分の持論を幾つか言ってみたいと思う。

 

 まず最初に、自分はXVMを是非入れるべきであると主張する。

 先んじて超おおまかに理由を言うと「有益なUI・機能を追加できる」「入れることによる不都合が無く、利点が非常に多い」ことを挙げる。後者については特に強調したいので、先に主張したい。

 

だが色見て粘着したい自走乗りは絶対に許されねぇからな

 

3-1-1 味方の色の利用法

 

 XVMを入れない人が上げるこのmodの欠点は殆どの場合一つで、「開幕から敵味方の色を見て大体の勝敗がわかってしまう」ことである。
 別の理由として「PCスペックの問題で入れられない」人は流石に仕方がない。
 「バニラにこだわっている」人はよくわからんけどまぁ気持ちは理解できなくもない

 「味方の色が悪いと萎えるから入れない」とかそういう話はよく耳にする。が。悪いけどはっきり言わせてほしい。

 

 開幕に味方の色が悪くてもわかる事は全くない。

 (ここでの「色が悪い」は赤~橙の人のこととする)

 

 開幕で見るべきは良い色(ここでは青~紫)のプレイヤーだ。
 敵に良い色のプレイヤーが居たら「こいつ色良いから警戒しよう、会ったら丁寧にいこう」という心構えができる。
 味方にいい色のプレイヤーがいれば「こいつは中々上手くやってくれるだろう」と、その人がどこへ行こうが一定の戦果は信頼できる。(ユニカムでも稼げない時はあるのでショボチンしてたらそれはもう仕方ない)

 だが開幕の時点で「こいつ下手だな」って思った所でマジで何にもならないのだ。

 色がどうであれ、明確に判断基準に加えられるのは「自分の付近に居る味方」のみ。近所に居る味方がどれだけ下手だろうが有効活用すれば不利益になる事は絶対に無い。
 (下手な人が生み出す不利益として射線妨害や車体ゴリゴリといった故意でない妨害があるが、故意でなければこちらから対策すれば二度と妨害されない。故意はもう知らん)

 分かりやすい例として、自分の代わりに弾を受けてくれる味方は、どれだけ下手だろうが自分のチャンスを作ってくれる。
 例え一方的にダメージを取られたとしても、別の人がダメージをノーリスクで取るきっかけになれば、それだけで無意味が有意義に変わるのだ。

 他にも、狙撃ポジで芋ってる奴はダメージを取ってくれるかはさておき当ててくれれば抑止力になりうる。撃てない場所で芋っていても、そこまで敵を意図的に引き込めれば利用できる。

 要は味方の利用の仕方である。普通の判断に加え、味方の色を把握することによって自分の動きをどうするか、といったプランを練る上での参考点はかなり増える。自身の動きの選択肢は多いに越したことはないのだ。

 

 

 こういう理由から、開幕で味方の色を意識したところで意味はないし、むしろそれによりモチベを下げる方が不利益と言える。

 負けるときは負けるし、勝てるときは勝てる。自分はどちらだろうが付近の情報から手札を増やし、その中でベストを尽くせれば良いと思っている。そうすりゃキャリーして勝っていける回数は増える。

 

 見て萎えるような条件から利益を見出すのがキモなのだ。

 

3-1-2 敵の色の利用法

 

 こっちのほうがわかりやすい。寧ろ味方の色よりこっちを見ろ。

 先ほど少し言及したが、こちらは開幕で要注意なプレイヤーに目星をつけられるため確認する意義は非常に大きい。そいつが自分の居る戦線に居るか居ないか、だけでも判断基準として参考の余地がある。

 

(以下、車種を問わず殴り合う段階での話になります)
(主にHT・MTの間での話ではあるものの、TD・LTにも言えることなので是非熟読をば
)


 さて初動以降、前線についたときに「自分の目の前に居る敵がどんな色をしているか」を確認する。
 これが敵に殴り勝ち、試合自体をキャリーしていく確率を大きく引き上げる。
 味方の色を見るほうは考える情報量が多くなる反面、敵の色を見るほうは極めてルーティン化しやすい。

 

 まず、「自分を基準にして相手の腕がどうか」を見る。これを見ている人がどれ程の色をしているかはわからないが、敵の色に対しての自分なりの対処法を細分化してみたので是非確認してみてほしい。

 

注:ここでの自分の直近"WoTLabsの直近WN8の色"です。
  ですが敵の色表示はXVM基準のものなのでそこを混同しないようにしましょう

 

 


〇敵の色が赤色橙色だった場合

 ・自分の直近が赤色橙色(650未満)の場合

 →自分と似たような色。とりあえず"与1:被1"でダメージ交換出来るようにする。
  相手は上手くないのでスキも多い。しっかり狙って抜いていくべし。


 ・自分の直近が黄色黄緑(1200未満)の場合

 →自分より下手なので焦って撃ってくれたり、何かとガバかったりする。
  与2:被1でダメージ交換するのを目標に殴り合いたい。
  後々で残した耐久が活きてくる。


 ・自分の直近が緑色(1200~1599)以上の場合

 →可能な限り素早く、かつ最小限の被弾で殴り殺して差し上げろ。
  上手い人がこういう敵を有効利用すると面倒なので削れる機会は逃すな。
  装甲のある車両ならガンガン弾けるので強気にいける。

 



敵の色が黄色だった場合

 ・自分の直近が赤色橙色(650未満)の場合

 →敵は自分よりも上手い。スキが減ってくる上にこちらをちゃんと抜いてくる。
  付近の敵・味方のカバーが入るかを確認して撃ち合おう。
  無駄に撃って敵にチャンスを与えないように。


 ・自分の直近が黄色黄緑(1200未満)の場合

 →自分と腕が似通っているのでどんな事が出来るかは大体わかるハズ。
  与1:被0のダメージの押し付けを意識して、逆にそれをされないよう気を付けるべし。


 ・自分の直近が緑色水色(2000未満)の場合

 →弾かれる/外すことを可能な限り減らし、敵にチャンスを与えず与1:被0の押し付けの回数を増やす。
  まだ敵はガバいが、当たり前のことはしっかりしてくるので要注意。
  まだ装甲のある車両だと簡単に弾けるので発砲を誘っていけ。

 

 ・自分の直近が青色(2000~2449)以上の場合

 →基礎的な動きはこなしてくるのでナメるとダメを貰う。
  だが基本通り自分の強みを押し付けて行けば割とチョロいことも多いので勝てる。
  与3:被0~1がペースとしては良い。

  また芋率が高くなってくるので、見えていない敵に油断しないよう。

 



敵の色が緑色だった場合

・自分の色が赤色橙色(650未満)の場合

 →敵は中々上手く、好機を殆ど逃してこない。
  特に周りの味方を見て、そいつにダメージを入れられなさそうなら無理はしない。
  敵が強気に出て来るのであれば命を優先し、無駄な消耗を避けよう。
  でも芋は論外なので勘違いなきように。


 ・自分の色が黄色黄緑(1200未満)の場合

 →自分の選択肢にある事はほぼ全部完璧に出来る相手だと思っていい。
  またこちらの手の内も把握してくるので、しっかり絞り、削っていくことが大事。
  相手は与1:被1交換を嫌がるので、来たら一発は入れたるで!という気持ちでいこう。
  小技や罠を仕掛けてくるので、撃ったからといって釣られすぎないように。


 ・自分の色が緑色青色(2450未満)の場合

 →抜きつ抜かれつといった構図になりやすいので一番殴り合いが楽しい相手。
  こちらの小技に引っ掛けさせ、敵の小技に乗らない読み合いでの勝利を大事にする。 
  多くのTierで敵はチームの中でも上手い部類に入ってくるので、早めかつ一方的に倒せれば優位になる。

 

 ・自分の色が紫色(2450~2899)以上の場合

 →敵が小技をかけようとした時にそれに乗らないのは勿論、油断したスキに正面からそれを叩き潰していけば優位を取れる。
  敵の車両の強みを封じ、されると困る事を積極的に押し付けていくべし。
  殴り合いに限度を感じたら後回しにして周りを削り、敵を孤立させていくと勝ちやすい。

 


☆重要
敵の色が青色紫色だった場合

 

 ・自分の直近が赤色水色(2000未満)の場合

 →敵はユニカムで、乗っている車両の強みを最大限発揮して遺憾なく蹂躙してくる。
  とにかく孤立状態で撃ち合おうとすると即死しかねないので、後方の援護も含めて対処すべし。
  また状況次第だが、榴弾を投げるとそれを好機と見て突っ込んでくる事がある。
  来るときは味方を波に乗せて溶かしに来るので、ダメを叩き返しやすい状況を作れると最善。

 

 ・自分の直近が青色(2000~2449)の場合

 →まだ単騎で殴り勝つのは難しい。しかし、自分より色が下の相手なら撃ち合いの勝率が安定してきていると思う。
  数の差が優位なら押し返せる腕になって来ているので、引き込みを大事にする。
  じっと耐え、敵のユニカムが別方面から叩こうと動いたら好機。敵のユニカムが味方を倒しきるより早く他の敵を殴り殺せれば、勝利にぐっと近づく。
  これは敵を溶かす嗅覚によるテクの一つで、これの意識の差でだいぶ変わるハズだ。
  ただし大概のユニカムはこれを持っているため、察知して戻られたり、先に味方を溶かされたり、単騎の殴り合いに持ち込まれる可能性も高い。こうなると厳しくなる。

 

 ・自分の直近が~濃紫なりたて(2450~3000)の場合

 →直近が紫になってもまだ油断はならない。敵は総合戦績でユニカムなのである。
  まだ敵の方が自分より上手い可能性は大いにあるため、上記青色の意識を忘れないようにしたい。
  また、敵を溶かす嗅覚を磨いて成功率を高め、「孤立してる敵を味方を引き連れてぶち殺す」「溶かせる敵を素早く最大効率で殺す」という意識を高めていきたい。
  ここまでくると敵ユニカムとの殴る速度の競争である。

 

 ・自分の直近が3000以上の場合

  敵ユニカムより早く他の敵を殺せ。
  または早急に敵ユニカムを殴り殺せ。

 


 

 ……とまぁこんな感じで、自分の腕と敵の腕の対比によりある程度は意識を分ける事ができる。ゆえに敵の色を把握することは非常に重要なのである。

 

3-2 有益な機能・UI

 ここまで色による利点を説いたうえで、なおも色を見たくないのであれば、オンラインでのアクティベートをしないでXVM本体のみを導入することを勧める。

 XVMの導入により戦闘中は「被ダメ・与ダメの詳細なログ」「敵のスポット状況」を確認することができる。

 これは非常に便利な拡張機能で、前者はそこまで戦績に関与しないが、後者は「一発でだれが見えてて誰が見えてないかがわかる」という、判断速度に直結する機能になる。
 また、戦績画面で車両別のダメージ・キルの色(xTE)を確認できるのも大きい。

 この色は一つの目安になるので是非とも活用したい。

 

 

 そんなわけで、「如何にXVMからキャリーするための有益な情報が大量に得られるか」がお分かりいただけただろうか。
 もしここに「下手でも楽しければいいのだ!」と思っている人が居るのなら、それもいいが、上手くなればゲームも楽しくなると思うので、上達を目標にしてみるのも面白いのではなかろうかと提言させていただく。

 


4 . 勝率を上げるにはどうすれば良いか?
   何を練習すれば良いか?

 

 ここまで死ぬほど長々とやってきて論文を書いてる気分になってるが、やっと最後の項。もう少しお付き合いをば。

 ここからは「何をすれば勝てるか?」「何を練習したら上手くなれるか?」という事を少し書きたい。
 ただレート別何が必要かを言うとまた長くなるので、こちらのブログを貼らせていただく。

https://yasu-wot.com/2017/07/25/post-181/

https://yasu-wot.com/2017/08/17/post-248/

 ICPDクランの指揮官(だった人)が書いた記事で、自身の直近WN8ごとに何を意識するといいかが非常に正確に書かれている。実際この記事は滅茶苦茶参考にしてた。

 これは先にお目通り頂いてもいいし、読み進めてもらっても構わない。

 

 

 ここまでを読めばすでに察しはついているだろうが、

「WN8を意識してダメージ・キルを取れば勝てる」

 というのが私の持論である。

 このゲームはHPが不可逆的なリソースであり、序盤・中盤でしっかりダメージを取れていれば、敵を逃したとしてもHPを削った分プレッシャーを与えられる。
 序盤の撃破や一方的なダメージの押し付けが重要なのはそういう事で、何よりも「自分の手でダメージを取る」ことが非常に大切なのだ。

 

 

 自分の手でダメを取らず勝つ方法として、軽戦車で味方にダメージを取ってもらう、要するにアシストで勝利に引っ張っていくという手法がある。

 ただしそれで勝つには、能動的な"攻めの偵察"を知る必要があり、これは受動的な"受けの偵察"よりも遥かに難しい。
 "受けの偵察"は引き分けを作りやすく、敵に全てを依存するため、それだけで勝とうとするのは中々に厳しい。ゆえに自分から戦況を動かせる"攻めの偵察"が必要なのだが…
 …軽戦車は一度失敗してHPを失うと再チャレンジが難しくなるので、リスキーであると同時に難易度も高い。これを極めてる人は本当に尊敬する。
 装輪車はコレがやりやすいが、それでも状況の見極めはだいぶシビア。


 故に、「ダメージ取るのが下手だからアシストで勝ちに行く!」と思っている人にはそっちの方が茨の道であることを念押しさせていただく。
 (でもそれでやってきて6割勝ててるよ!って人もいるので、すでに極めてる人はマジですごい)
 (ただ「今から偵察極めて勝ちに持ってくぞ!」って人にはオススメしないよって事です) 

 

 

 少しダメージ取る所から話が逸れたので戻ろう。

 では今度は「ダメを取るために何を練習すればいいか?」である。

 ダメージ取るだけなら駆逐戦車がいいが、一般的な奴は初動が受け身になりがちなのでキャリーするのは少し難しい。
 重駆逐もかなり人を選ぶ。かといっていきなりLTでコンスタントにダメージ出すのもむずい。

 では何に乗るか。

 答えは

「長所がわかりやすい重戦車に乗れ」

 だと思う。

 

 重戦車はダメージディーラーとして優秀で、仕事内容が非常にわかりやすい。
 そして、コレで培われる「弾く技術」や「弱点を抜く技術」「局地的な押し引きの判断」などは、殆ど全てのMT・TDに流用可能なのである。

 そこからMTに乗り始め、足回りを活かすダメージの取り方や戦術を学べば、LTでダメージを取る技術にも変換できる。

 

 そう、HTは仕事や使える技術が限られるが、限られた狭い範囲の技術の差で勝敗を決めることができる車両なのだ。

 長所がわかりやすいと理解も早い。だから尖った性能のHTに乗ることを勧める。

 

 しかもそのノウハウは別車種にも適用できる。このノウハウの転用を色々な所で試すことで、上手く扱える車種が増え、総合的な腕も上がっていく。

 

 技術が増えるごとに、与ダメも増えていく。
 すると勝率は自然に上がっていく。

 

 さぁ、あとは持っている車両をもっと上手く使えるように研究していこう。
 HT・MTに関しては上記したXVMの有効活用法を使い始めるだけでも変わるだろう。
 それ以外にも、上手い人と組んでみて知見を得たり、動画を見てポジを学んだり。

 そうすることで勝率は勝手に上がっていくのだ。

 


 

という訳で以上、ユニカムになってこれまでを振り返ってみて認識した事柄でした。

結局はゲームなので楽しむことを忘れてはいけませんが、それでも上手いことは損ではありません。
もっと言える話はあるので、聞きたけりゃ個チャで小隊投げてくださっても構いません。自分のノウハウが皆の勝率に繋がれば幸いです。

 

以上ここまで10000文字、長文失礼しました。

【WoT】6拠点の諸々

はいやっていきましょう

知り合いがクラン立ち上げて頑張ってるので集団戦初心者諸兄に向けた基礎的な話をば

 

注:この記事はver1.8以前の情報です! 環境がかなり変化しているので車両の情報などは最新のものを参照してください

 


1.車両について

 まず6拠で求められる車両を好ましい順に列挙していく。
 MAPがランダムのため、車両は特に「強さ」と「汎用性」を基準に選択される。そのため選択されるのはMTが多くなってくる。
 それ以外の車種でも候補に挙がる時はあるが、それは汎用性が高いか、扱い方次第でよほどの強さを秘めているかのどちらかである。
 また当然ではあるが、その強さを秘めた車両から強みを引き出せる腕がないなら話にならない。その辺も含めて自分の出す車両を考慮するべきである。

 また、6拠点は集団戦の練習のほかに「お金稼ぎの場」でもあるので、出来ればプレ車を出してお金を稼いでいきたい。回してる時は是非クランリザーブを使ってもらおう。
 個人のリザーブは適応されないので注意。


 それでは使われる候補となる車両を列挙していこう。★三つが最高とする。オレンジ色の車両はプレミアム車両。

 

~オススメ度★★★ 6拠で一番使われる奴ら~

T-34-85M

 高めの単発ながらかなり高いDPMを持っており、その上硬い車体とまずまずの機動性を持ち合わせている強戦車。
 火力はラッシュ時の乱戦で特に光る。そのほか弾く要素があるお陰で、一発弾けた事でもう一発撃てたといったラッキーも起こりうる。
 ただし前衛の割に体力は少なめ。あと脚が少しもっさりしているのでMAPを振り回すには少し不向き。
 プレ車なのでクレジット優遇もあるし、技術ツリーからも買えるため是非購入しておきたい。

Cromwell / Cromwell B

 75mm砲なので単発火力こそ普通だが、DPMはかなり高水準。
 それに64km/hという同格MTの中で最高の機動性を持ち合わせており、ポジの先手を取ったりMAPを振り回したりする事が得意な車両となる。他のMT連中と比べ抜きんでた強みなので、出来るだけ活かしたい所。
 装甲はあってなきような物だが、6拠ではそこまで重要視されないので問題ない。体力はド平均。

 

~オススメ度★★☆ こういうのでも良いぞ!という奴ら~

T-34-85 / Rudy

 T-34-85Mにお株を奪われてしまったがまだまだ強い。
 火力はあちらと比して低いが悪い数字ではなく、脚がある分振り回しが利くという利点もある。

VK30.01(D)

 Cromwellから脚をDPMを少し落とし、体力を増やしたといった味付けの車両。
 特別理由をつけて乗る必要はないが、出しても問題ない。


VK30.01(P)

 そこそこ速い脚に加え、単発220と良好なDPMを持つ。
 しっかり当てて抜いていかないと真価が発揮できないが、初弾の単発の高さのお陰で状況問わず火力になれる。体力は普通。


VK30.02(M) / Pudel / Bret.Panther

 さりげなく強いのがTier6のPanther連中。T-34-85系と同等の脚があり、DPMはCromwellよりも少し落ちるがまだまだ良好な部類。
 何より体力が840と多く、弾を受けられる量が他の車両より多いという利点がある。
 これは地味に大きく、T-34-85Mが単発180四発でギリ沈む可能性があるのに対し、こっちは少なくとも五発は受けられる。
 ラッシュ時に先頭で突っ込ませ弾を受けさせる役割で光る。集中砲火を受けずともそこまで腐らないのも高評価。

Type 64

 Tier6最強LT。視界あり、火力あり、機動力ありと一枚混ぜる分には強い車両。
 脚が72km/h出る他、DPMがCromwellと同等というLTにあるまじき火力を持つ。
 初動偵察で敵の位置を把握できるのがLTを入れる利点なのだが、こいつは後出しで火力にもなれるので割とインチキである。
 T-34-85系統のHEで瞬溶けするので弾受けはよほどでない限り厳禁。
 少し難しい車両なので自信のある人向け。

 

~オススメ度★☆☆ うまく扱えばぶっ刺さる奴ら~

KV-2 / KV-2(R)

 正直オススメしないが一応。とにかくAPを100%ぶち抜き、最初の時点でアドバンテージを取るのが役目となる。あとは弾受けして盾になるでも、追加で装填待つでもOK。
 開幕ラッシュに追い付けないため、必然的に全体の動きを受け身にせざるを得なくなるのが一番の欠点。これは数回す事を重視したい6拠では好ましいものではないため、よほどの自信がなければ控えておくべきだろう。

Strv m/42-57 Alt A.2

 150×4という高い弾倉火力を持つMT。こちらも100%貫通させられる必要があるが、こちらも開幕でアドバンテージを作れる車両となる。
 脚はほんの少し遅めだが、フォーカスを受けにくい位置に自動的に居る事になるので意外といい塩梅の機動力である。
 KV-2と比べると役割が似てる割に汎用性が圧倒的に高いので編成に入れる価値は高い。

SU-100Y

 単発510のやべーやつ
 単発型でありながら精度も確保されており、ぶち込めればめっちゃ強い。あとT-34-85Mの弾薬庫を一発でぶっ飛ばせる。
 やはりKV-2と同じく受け身で動かざるを得ないのでこれも自信がなければ控えるべき。

 

 車両に関してはこんなところだろうか。最初のうちは出来ればオススメ度★★☆以上の奴に乗ろう。

 また当然だが、拡張パーツの搭載は必須レベル。少なくとも装填棒は絶対に積むように。
 消耗品は修理(小)・救急(小)・自動消火器が安定。消火器はHPに寄与してくる消耗品のため、必ず自動を積むべき。どれだけ早く消せる自信があっても手動は論外である。

 そして出来れば迷彩もつけておこう。迷彩は乗算ではなく加算のため、どれだけ隠蔽が悪くても効果がある。
 最近はスタイル迷彩がかなり配布されており、75000クレで100戦分買うことも出来るので是非ともつけておきたい。

 

 


2.動きについて

 ここからは集団戦をするにあたって基礎的な知識を説明する。とはいっても6拠でする事は基礎の基礎といった事なので、解説することは少ない。しかし非常に重要なので注意すべし。

 解説するのは"フォーカス"と"ラッシュ"と"ホールド"の三つである。

 

フォーカス

 日本語で「集中」という意味の単語。後述のラッシュする時や、逆に敵がラッシュしてきた時に必ずしなければならない。

 やる事は「一つの敵を集中狙いする」ということ。
 理由は簡単で、撃破できればその分敵の砲の数が減るからである。ラッシュ時においてどれだけ上手くフォーカスして効率的に敵を落とせるかで勝敗が決まると言っても過言ではない。

 ではどういう目標に対してフォーカスするかというと、「体力が少ない敵」もしくは「敵集団の先頭に居る敵」である。後者は体力が削れてる敵が居ない場合にするべし。

 

 6拠であれば指揮官でも出来るが、出来れば皆で声を出して攻撃する目標を叫ぶと目標がわかりやすくなる。聞き専でも"T"キーを敵を狙った状態で押すことで視覚的にマーキングできるので是非活用したい。


 効率的にフォーカスを決められれば味方の損害も減る。敵が同数以下の時には絶対勝てるという自信をつけられるように練習していこう。

 

 

ラッシュ

 これは要するに「突っ込んでぶっ殺せ」である。
 話だけでは滅茶苦茶簡単だが、何も知らずにそうすると高確率で負ける。

 先にどういった事に気を付けるべきかを箇条書きで書いておく。

・敵集団を囲み切るまで止まるな
・走りながらフォーカスして殺していけ
・自分の体力を見て、余裕があるなら率先して敵の弾を貰いにに行け
・ミリ残りを殺す時以外はラムをするな
と に か く 止 ま る な 突 っ 込 み き れ

 つまり、突っ込む指示が出たら全力で突っ込んで敵を殺せ、以上。

 理由は上記のフォーカスの事を踏まえると当然っちゃ当然である。
 敵も体力が少ないのを優先して狙ってくるため、それは出来るだけ長く生き残らせて弾を吐かせる必要がある。なのでラッシュする方としては体力の多い味方から狙わせたい。
 だから体力があると思ったら率先して先頭で突っ込んでいくと味方の利になる。
 逆にラッシュ前の時点で自分の体力が削られている場合、最後尾から突っ込んでいくと生存時間が伸びるため留意したい所。

 殺しきれる時以外はラムをするな、というのはランダム戦で「味方が被ってて撃てねェ」という記憶があればわかるだろう。
 殺しきれなかった場合、他にそれを撃ちたい味方からしたら邪魔にしかならない。なので敵集団を囲みこむように動くべし
 
 集団戦において個人の稼ぎは全く重要ではなく、とにかく勝つ事を優先しなければならない。敵も当然フォーカスしてくるので、初手狙われる立ち位置になっても恐れずに突っ込んでいこう。

 

 

ホールド

 これは「出てくるところに構えろ」である。決して「撃ち合え」ではないことに注意。

 6拠はラッシュ合戦になる事が大半なのでこのケースはさほど多くないが、少しだけ解説したい。

 お互いに見合って膠着になった場合、ポジの圧倒的有利があるのなら撃ち合ってもいいだろう。ただそうで無い場合はラッシュに備えるために極力体力を温存しておく必要がある。
 なので、膠着になった時は無駄に体力を使わないという事が重要になってくる。そのため、敵が撃ちに来たらそれを撃つという完全に受け身の態勢を取ることが求められる。

 

 

 上記三つの要素を忘れず、兵士として指揮官の指示に忠実に行動していけば勝率は上がっていくハズ。集団戦を楽しもう!

【WoT】SU-122-44の運用の手引き

 はいどうもKAZIKI-CGCです とりあえずこれを見てくれ、こいつをどう思う?

f:id:KAZIKI-CGC:20191206134128j:plain

 うんまぁ見づらいのは勘弁しちくり 何が言いたいかっていうと

 

ASIAサーバーにて2018/12~2019/11までの12カ月、
SU-122-44で一位を取り続けました
ついでにこの間すべてを含む計815戦連続で優等100%でありつづけました

 

(この後更に追加で1年、計24カ月連続の1位を達成しました 25カ月目はダメだった)
https://twitter.com/KAZIKI_CGC/status/1333616096717389825
(優等100%は1300戦連続を突破して記録更新中)

 

 うんやばいね変態だね。実際割とよく行くDiscordの鯖にこれ貼り付けたら「こわ」「おばけだ…」とか若干引かれた

 というのはさておきとして。今回はいろんな方のWoT関連のブログを見てて書いてみたくなったので書いてみようと思いまして
 今回は「SU-122-44の運用の手引き」について解説?していきやす
 前置き長いとアレなのでさっさと解説始めましょ

 


1.SU-122-44とはどんな車両か?

~駆逐戦車の分類について~

 まず、駆逐戦車には大きく分けて4つの分類がある

 

駆逐戦車     (基本的なもの 汎用的な装甲と足回りで狙撃するのが役割)
駆逐戦車     (装甲がかなり厚い 重戦車の役割を担う駆逐戦車)
駆逐戦車     (装甲が榴弾でズボズボな特に狙撃特化した駆逐戦車)
LTもどき駆逐戦車  (ごく少数存在する開幕LT運用も視野に入る駆逐戦車)

 

 特性が重複する場合もあるけど大体はこれに分類できる。
 これプラス「砲塔もち」「榴弾砲」「オートローダー」とかの特殊な要素がつく奴もいて、そこでおおまかな性能諸元が完成。これプラス性能的な特徴を考慮して運用方法を決める訳で
…この辺に関しては別途記事として書きたいな

 

 これのパターンで定義するとSU-122-44は「中駆逐戦車」に分類される。
 詳しくは後述するけど、この車両は基本性能が一部ぶっ飛んでいるだけで機能的な特性を持っている訳ではないのでこれだけとなる。

 

~細かい特徴について~

 

 まず長所と短所を確認しよう。どんな戦車でも細かく性能を見ていくと良い。
 ここでは平均的な駆逐戦車に準ずる性能に関しては記述しない。

 

 長所
・単発が高い
・DPMがぶっ壊れ級に高い 
・旋回が速い
・中駆逐の中では装甲が厚め
・隠蔽が高い

 短所
・精度がかなり悪い
・絞りがかなり遅い
・貫通が低い
・俯角が微妙
・視界がめっちゃ短い

 

 …書き出してみて思ったけどこいつかなりピーキーな性能してない?
 長所から一つずつ確認してみよう。

 

単発が高い
 名前の通り122mm砲を搭載しており、単発火力は390と高い。
 同格駆逐と比較すると、15榴を積めるSU-152(AP・HEAT単発700)と、このTierで12.8cmを引っ張り出してきたSt.Emil(AP単発490)に次ぎ3位タイ。

DPMがぶっ壊れ級に高い
 めっちゃ高い。戦友・食料・装填棒・換気扇で3695とTier7にあるまじき頭おかしい数字になる。
 ISU-122SとSU-152(122mm)はこれより高くなるが、あちらが比較的鈍足なのに対してこいつは高い機動性を誇るため、活かせる機会はあちらより多いハズ。
 ちなみにうちの122-44はフルボンズ+換気ディレクティブでDPM3900になった

・旋回が速い
 カタログスペックではE25に次ぎ単独2位…なんだけど、出力重量比のせいか実際の旋回性はT-34-2G FTの方がほんの少し高いのと、車体旋回早いくせしてすげぇ小回りの利く全周旋回砲塔を持つSteyr.WTって奴が居るので実際は4位
 それでも早いことには変わりなく、ISU-122Sとは決定的な差となる。

・中駆逐の中では装甲が厚め
 同格の中で対抗馬となるのがT-34-2G FT、JagdPanther、T25 AT、AMX AC 46あたりになってくるのだが、その中では最も装甲が信頼できる。
 でかい弱点もなく、防盾もかなり硬いのでハルダウンや昼飯で割と弾いてくれる。
 Tier6戦車にオラつけるのは大きな利点。なおこの中では側面も一番硬い。
 ちなみにSU-100M1は脚は速いけど運用は重駆逐寄りになるので中駆逐分類にはしてないゾ

・隠蔽が高い
 Tanks.GGで比較できないので細かい順位付けは面倒だからしてないが、かなり優秀。
 特に発砲時の隠蔽が高く、この点に関してはかなり信頼がおける。15mルール使用時にバレにくいのは大きな長所になる。

 

 とまぁこの辺が長所、問題は短所である。

 

・精度がかなり悪い
・絞りがかなり遅い
・貫通が低い
 おそらくこの戦車最大の欠点。最終砲候補の中で比較すると、精度はSU-152の15榴に次ぎワースト2位タイ(0.41)、収束時間は15榴とT-34-2G FTの122mm砲に次ぎ微差でワースト3位タイ(2.90s)。
 そのくせAPCRの貫通が217と、つい先日実装されたSuper Hellcat(APCR:207)が出てくるまではワースト1位タイだった。最近はTier9戦場を殆ど見なくなったのでまだマシではあるが…
 これらの要素が原因で、そもそもちゃんと強化しないと命中率/貫通率はかなり低くなる。加えて安定して命中させるにはある程度接近せねばならず、それは同時に大きなリスクでもあるので注意せねばならない。
 余談だが地味にAPCRの弾速が1000m/sと同格のAPCRの中では最遅レベルなので注意

・俯角が微妙
 俯角は-4°取れる…が、これも同格中ワースト1位タイの数字で、俯角が狭いのが苦手な人からするとかなり苦戦する要因かもしれない。
 砲の位置が低め、かつ前部戦闘室なのでまだ楽な部類。

・視界がめっちゃ短い
 なんと330mしかなく、これは自走とEBR.Hotchを除くすべてのTier7と比較してもワースト1位タイ。これに関しては対策するか否かでかなり意見が割れる要素だ。
 詳しくは後述する。
 

 

総合して、「戦場を駆け巡りダメージを吐く事に関しては最強格だが、ちゃんと抜けるか、そもそも当たるかどうかが課題」という車両となる。

これらを踏まえ、戦闘の前準備と移ろう。

 


2.戦闘の前準備

自分の今の構成はこんな感じになっている。フルボンズ拡張なのは無視してOK。

f:id:KAZIKI-CGC:20191206154859j:plain

~拡張パーツについて~(拡張パーツ2.0以前)

  この車両での拡張パーツ選択は実質二通りと言って良い。

 

①上記画像のように完全火力特化 (ラマー・ガンレイ・換気扇)
②クッソ短い視界を補う万能強化 (ラマー・レンズ・ガンレイor換気扇)

 あまり運用上マッチしないと思うけど②に関しては双眼鏡を積む場合もあるかも…?

 

 これは好みや運用方法によって変わってくるだろう。自分に関しては殆どの戦車で視界が短くても一切問題ない人間なのでを選択した。

 に関しては視界の短さで難儀する人向けだろう。自分しか敵を見る事ができない状況には対応しやすくなるものの、素の視界が滅茶苦茶短いので強化量は相対的に低くなる。
 おまけに「装甲・DPMを下げた代わりに視界を大きく伸ばし、低貫通という欠点を克服した」ともいえるジェネリック122-44T-34-2G FTも登場したため、差別化を図るならこちらは推奨しない。
 逆にT-34-2G FTで①の構成だとSU-122-44の劣化版になりうるため、こちらは②推奨。
 双眼鏡の搭載で視界が500mを超える他、運用上の相性も◎なのでレンズより双眼鏡でいいかも。

 


 (以下2020/08/31追記)

 一方、拡張パーツ2.0の到来で様々な選択肢が生まれた。

 足を速くしたり、耐久を増やしたり、常に隠蔽を良くしたり…
 効果も様々なので、追加されて搭載できる中で実用範囲/非実用範囲を分別しようと思う。
 あくまで自分が推奨するか否かという話であり、「搭載して遊ぶ分には否定は一切しないうえ、そこの楽しみを制限したい訳ではない」という事は留意いただきたい。

 

・実用範囲の新パーツ


①改良型旋回機構
(旋回性+10%・旋回時拡散-10%)

 駆逐でも拡散をある程度小さくできるようになったのは非常に大きい。旋回性はオマケ。
 ガンレイと比して偏差や振り向き撃ちの精度が上がるようになる…が、実はSU-122-44はそこまで拡散が悪い訳ではないためどちらを選んでも大して変わらないハズ。
 どちらも試してみて、自分に合う方を選ぶと良いだろう。
 換気扇をコレにするという手もあるが、その場合絞り切りの精度や視界等が落ちるため要相談。正直接近戦する分には必要十分な砲拡散のため、そこまでしてあげる必要は無い気はする。


②改良型照準器(照準サークル-5%)

 絞り切りの精度を向上させる。
 そこの精度がネックになりがちなSU-122-44的には搭載の余地はある。
 だが上昇はせいぜい0.02ほどであるため、コレを積めばめっちゃ当たるようになる!という訳ではなさそう。
 置きエイムを徹底し、絞り切って撃つ自信があるなら一考の余地アリ。

 

③改良型装甲材(車両HP+8%・サス耐久+50%・サス修理速度+20%)

 耐久が70上がって履帯が切れにくくなり、その修理速度が上がる。
 元の耐久が低いことから増加量も低すぎるため、あえてこれを積む理由は薄いが接近戦で受けられる弾数が増えるのは魅力。
 昨今のTier8戦場に放り込まれる事が殆どを占める環境を考慮すると微妙なものの、格下・同格へのゴリ押しがより安定するのは中々の強み。
 そこまでオススメはしないが十分実用範囲にはある。

 

・非実用範囲の新パーツ


④改良型モジュール構造
(修理速度+25%・弾薬庫+エンジン+燃料タンクの耐久性+100%&中破時のペナルティ-50%&火災発生率-50%&このうち一つを一度だけ大破を防ぐ)

 いらない。
 モジュールが壊れやすいHTだと驚くほど壊れなくなるが、元々耐久が少ない駆逐戦車で詰む意義は無いに等しい。

 

ターボチャージャー(エンジン出力+7.5%・前進速度+4km/h・後退+2km/h)
⑥追加グローサー(旋回速度+15%・速度維持性能+10%)

 いらない。
 はHT・MTに積む分には強いものの、SU-122-44ほど機動性があればそれを強化しなかったからと致命傷になる事はほぼほぼありえない。上昇分の機動力は判断速度で十分カバーできる範疇なので猶更いらない。
 後退速度の上昇は嬉しいが、それでもいうほど上昇しないためこれに命を救われる事も殆ど無いハズ。
 は効果が限定的すぎる。改良型旋回機構が旋回+10%(火力スロットに入れれば+12.5%)というオマケがあるのを考えるとそっちで良い。
 あと元々旋回が速く、かつこれを使った所でNDKに対応できる敵の数が格段増える訳でもないためそれ以上増やす必要もない。

 

⑦消音排気システム(隠蔽性+5%)

 絶対にいらない
 移動時含め隠蔽に5%加算される。また発砲時隠蔽補正にも+2%ちょい入る。

 はっきり言って、この戦車ほど隠蔽がある場合その程度なら限りなく誤差に等しい
 LTは茂みが無い状態の隠蔽も重要視されるため搭載の余地はあるものの、駆逐は動くにしても遠距離が基本であり、敵に接近する時も遮蔽を使うのが前提で、近距離戦時は露見前提なので活きる場面が文字通り皆無。

 駆逐の場合、Grille 15のような最大強化でも隠蔽が低くもどかしくなりがちな奴や、走り偵で本職LTに視界・隠蔽勝ちしようとかいう狂気のE25やKanJPzを作りたい場合は選択肢になる。

 

 ↑以上追記文おわり

 


 

~弾配分について~

 3200戦ほど使ってきて一番安定したのは「AP:6/APCR:25/HE:4」だった。

 いかんせん弾数が多くない上に貫通に乏しいのでどうしてもAPCRを大量に使用する。金を可能な限りケチれないかと試して、最大限ケチって安定したのがこの配分。
 HEはAPCRでも貫通の見込みがない相手・激薄装甲の車両に放り込む。埒が明かない場合はこれ投げとけばOK。4発が丁度良かった。

~消耗品について~

 まず食料は金の許す限り積んでおきたい。長所と短所が両極端なこの車両にとって、特徴の強化や弱点の補助になる食料はかなりのキーアイテムとなる。
 その分消火器を乗せられなくなるが、そこは心配であれば消火ディレクティブを積むと安心。自分みたいに消火スキルが割と充足しているのであればそこは別のディレクティブを積んでも良いだろう。

 修理・救急キットに関しては……ランダム戦を41kしてきた割には(大)を集団戦以外で常備したことがほぼ皆無なので何とも言えない。費用対効果は悪くなるが、使えるなら使っとくという気持ちで良いのではなかろうか。

 

~搭乗員スキルについて~

 とりあえず第六感は最優先として、それ以外はカモ、育ったら戦友に置き換えしつつ再度カモ、その後に修理とかをつけていけば安定。この辺は一般的な駆逐と大差ない。
 弾薬庫保護は修理より優先してもいい。
 レナリが入ってないやん! ……アドレナリンラッシュは刺さると楽しいので余裕があったら入れよう。

 


3.実際の運用

 えーー…これどこから書けばいいんだろ

 とりあえず、この戦車はおおまかには駆逐戦車の常識に沿って運用すれば問題ない。それに加えて運用を工夫することで戦果が爆発するようになる。

 ここでの解説は15mルールに関しての知識や、一般的な駆逐戦車がどういう役割を持つのかを知っている事を前提とするので、総じて中級者以上向けの解説になるのであしからず。

 だがその前に…

 


3-A.駆逐戦車で稼ぐ上でやってはいけないこと

 

 はい。これはSU-122-44に限らずよほどの車両でない限りやるべきでないことである。
 自分の中では至極当然の事だけど、周囲見てる感じそんな気配がないので一度周知させたいと思う。少なくともあらゆる駆逐戦車に当てはまるので注意すること。

 それは……

 

 

「開幕で自陣側のMAP端・MAP角で芋るのは"よほどの事"でない限りするべきではない」

 

 

 ってことである。HA?って顔する人も居るだろう。

 勿論例外もある。狭いMAPではそもそもMAP端にしか狙撃できるポジが無いこともある。ツンドラ北側やエンスク南側は特にそうだ。
 それに、Grille 15やFV4005など被発見=被撃破、というような車両でもやむを得ず使わざるを得なくなる場合も多い。だがこれらはいわば「車両性能によるポジションの縛り」でもある。その縛りが強いほど「よほどの事」になるのには留意してほしい。

 逆に、それ以外で自陣側のMAP端or角が開幕から終盤まで強い所は「レッドシャイア北側のB-9」「プロホロフカの線路の上」辺りくらいしか思いつかない。序盤の布陣次第では強ポジになりうるかもしれないが、ここは開幕においては"何もしてない空白の時間"が生まれやすいポジであるのだ。

 

 少し詳しく話そう。第一に、駆逐戦車の仕事は「芋」だけではない。

 そもそもの話、「芋」の定義とは何かを考えてほしい。
 自分は「味方を撃ちに出てくる敵を撃てるバックアップポジに居座る事」であると思う。それは駆逐戦車であれば至極当然の話であり、適材適所の仕事の場所でもある。

 では、駆逐戦車で効力射が安定しなかったり、勝率が低かったりする人は総じてどういう傾向があるのか。簡単な話だ。芋しかしないのだ
 戦線を上げるのに参加せず芋ポジを探したり、何も出来てないのにワンチャン賭けてそこに居続けたりするからへなちょこ戦績で終わってクソ芋と言われるのだ。

 

 駆逐に乗るのが上手い人は大体そうだと思うのだが、少なくとも自分は

芋る」→「旨味が無くなったら見切りをつけて移動する」→「新しい場所で芋る」or「前線の殴り合いに加わって殲滅を急ぐ」or「倒すべき敵を強引に倒す

 という思考をしている場合が多い。ちなみに二番目にある「旨味」とは、ダメージを与える事以外にも「体力を不必要に削られない」ということも含まれる。無駄に体力を失ったらその時点でマズ味になる。それでは判断としては既に遅い。

 一応、旨味が無くともそれ以外の場所がもっとマズ味であるなら芋ったほうが有益になることもあるのでそこはケースバイケースだ。

 上の一連の動作があらゆる駆逐戦車に求められる基本的な思考であることをここで前提としておく。

 

 さて。話を戻すが、改めてなぜ「自陣側のMAP端・角によほどの事でない限り開幕で行くべきでない」のか。

 戦闘が始まっておおまかな陣形が組まれる中で、状況次第で少なからず「自分の車両がぶっ刺さる場所・時間」というものが生まれる。駆逐戦車での稼ぎはそれを如何に察知して的確に高火力をぶち込むかですべてが決まるといっても過言ではない。

 なので、主戦場から遠くなる事が多いMAP端に初動で陣取ると、次のアクションを起こしても的確なタイミングでぶっ刺しにいけないことが多くなる

 この自分の車両がぶっ刺さる場所・時間というのは決して長いものではない。これは下手にスカすと戦況の上で致命的になりかねない。

 

 これらの理由から「開幕で自陣側のMAP端~角で芋るのは"よほどの事"でない限りするべきではない」という結論に至るのである。

 

 長々と書いたが、これは一つの駆逐戦車としてのタブーとして覚えてほしい。中盤以降で使う分には問題ないので、そこを見極められるようになると駆逐戦車は楽しくなるだろう。

 


 

3-B.SU-122-44の立ち回りについて

 今度こそSU-122-44の話に移ろう。大体は上記した基本的な思考にのっとって動けば問題ない。では、この車両にとってぶっ刺さる場所・時間はどこか?というのをここで解説する。

1.一方的に吐き続けられる場所

 これは非常に簡単な話である。DPMがTier不相応に高いのだから、連続して単発390を撃ち続けられる場所はこの車両にとって最高の居場所だ。
 だが、簡単にそうさせてくれる場所は少ない。ではこの状況を作り出しやすい場所はどこだろうか?

 答えは「穴場的なポジ」である。
 隠蔽が高いので、遮蔽や茂みがなくとも多少距離があれば移動中に見られることは少ない。茂みに入れたら、敵との距離が近くてもそこで15mルールを使いながら撃てば、殆どの場合見つからずに攻撃し続けられる。茂みが無くとも距離次第で野ざらしで撃ち続けられるポジも存在する。

 場所の例は「高速道路の中央道路付近」「ムロヴァンカのF1家屋の横(南のみ)」「ミンスクの中央」「プロホロフカの中央」「ストゥジャンキの中央」などが挙げられる。

 

※投稿時点での強ポジです。2023年現在、ムロヴァンカのポジミンスクのマップそのものが消えてます

 

f:id:KAZIKI-CGC:20191206202810j:plain

↑ムロヴァンカF1の狙撃ポジ。画面には映っていないが、この近辺で一番北にある家屋の横を使っても強い。
ちなみに右にある木は倒せたハズだが倒せないようにサイレント修正されてた。何故…←なおってました

f:id:KAZIKI-CGC:20191206203318p:plain

↑ストゥジャンキ中央の狙撃ポジ。TierTopならHライン沿いに開幕で入ると強い。決め撃ちに注意。

f:id:KAZIKI-CGC:20191206203703j:plain

ミンスク中央の狙撃ポジ。東・西端に敵が詰めてきた時に行くとめっちゃ吐ける。意外と見つからない。

2.最前線を押し込む時の横槍

 これは主に支援していた側の味方が殴り合いを制した時に、下がってきた敵を遠距離から撃てるようにする、または密かに最前線に行って遮蔽を利用しつつ敵の横へ接近してひたすら撃ちまくるというケース。

 状況次第でポジが変わるのでどういう射線の通し方が最も吐けるか、というのを深く考えて的確に実行できればかなりダメージが期待できる。
 少々強引にでも倒すべき敵が居るのであれば多少の被弾は厭わないほうがいい。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm35546352

↑敵の注意が向きづらい所から急襲、HTにぶち込み放題になった戦闘の動画

3.孤立した同格~格下車両の蹂躙

 この車両は一般的なTier6の弾なら普通に弾くので、持ち前のDPM・旋回性を活かして敵を強引に叩き潰す手法が手っ取り早い事も多い。

 練習は必要になるが「撃たれるタイミングで車体を捻って弾く」「密着して防盾に撃たせる」という芸当も可能。自分が撃てるかはともかく、ハルダウンで敵の攻撃を誘発するのも手。

 ただし、これには相応にリスクがある。

 接近戦中は基本的に動きが止まるので狙撃からは無力という点、旋回が速いとはいえ硬地盤でなければ軽戦車相手だとNDKされかねない点、弾かれるとそれだけで計算が狂う点、自走にスタンを入れられるだけで非常に危険な状況となる点…これらを総じて問題ないとしたときに殴り込みに行くと失敗しにくい。

  履帯ハメで殺されても元も子もないので、敵の種類や味方の数、修理キットのクールダウンも考慮する必要がある。上手くいけばこれ以上なくぶっ刺さるが、ご利用は計画的に。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm31808327

↑今まで乗ってきて格下の蹂躙が一番ぶっ刺さった戦闘の動画

 

4.二発圏内で確殺できる敵の絶殺

 高い単発火力と発射速度を両立しているため、残耐久700程度の敵であれば先手を取れたら1発(低単発・高レートの場合は2発)貰うだけでほぼ確殺可能。

 この「最低1発受ける前提の確殺範囲」の広さは非常に大きく、上記したように殴り合ことで同格・格下相手だととんでもない強さを発揮する。
 特に格下MTは殆どが二発で沈む(ver1.9にてそうでなくなった)耐久が少なく確殺範囲に入りやすいので、積極的に殺しに行ける機会が出来る。
 格上であっても装填速度が7秒以上かかる車両も珍しくないので、相手と隠れるスキを与えない状況次第では有利に活かせる。

5.ヒットアンドアウェイ

 滅茶苦茶単純だがかなり大事。
 どうしてもぶっ壊れDPMに目が行きがちだが、単発火力がしっかり確保されているので見つかる覚悟で撃ってすぐ下がる、という至って普通の事をするだけでもいいダメージ収入となる。後退は駆逐戦車相応に遅いので「下がるまでに撃たれないか?」「下がるときに弾けるか?」といったことを考えながらするべし。

 なだらかな稜線だと俯角の小ささから想像以上に乗り出している場合もあり、見つかった後安全に下がり切れないケースもあるので地形には気を付けること。

 


 

以上、とんでもなく長く書き連ねたが細かいSU-122-44の運用の手引きである。
122-44のみならず、他の駆逐戦車に流用できるノウハウも多いので何かの参考になれば幸いデス。
細かい質問あったらリプでもDMでも投げてもらえれば返答しますのでその辺はお気軽にどうぞ。

ではお疲れさまでした_(:3」∠)_